3700形
1991年に登場した3700形は、それまでの京成のイメージを覆した革新的な車両となりました。3700形が登場する前の京成は経営危機に瀕するほどの困窮状態に陥っており、冷房車を導入したいが新しく作るほどの余裕が…ということで一時的に冷房車として廃車になりかけていた京急1000形を京急から借りる、等様々な試行錯誤を続けていました。さらに、今後の京成のイメージとなる新しい色を作ろう、ということで3200形を用いて様々なカラーリングの試験を実施。その塗装を新車として始めて実用したのがこの3700形となりました。

VVVFインバータ制御の採用、3600形までと全く異なるデザインと内装、そして扉の上に設置された英語併記の案内表示。これらを装備した3700形は当時の京成の車両の中では際立って先進的な車両となりました。イメージとしては京阪6000系を登場させた時と同じような衝撃があったのではないかと思います。現在、製造総数では3000形に敵わないものの、成田スカイアクセスへの対応改造も施されるなど、幅広い運用を任されているのがこの3700形であり、京成と言えばこの車両を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

現在は、3000形に準じた車内への更新も行われています。編成によっては座席袖仕切りが大型のものになったり、側窓がUVカット仕様に変更されていたりするので、細かな違いも多くなりました。

尚、3700形は複数本が北総鉄道・千葉NT鉄道へとリースされており、リースされた後に宗吾参道の車両基地で更新を受けた編成も存在しています。

上写真は3798F。穴守稲荷にて。
簡単な年表
1991/3/19 登場
2003年 3808Fを北総にリース。7808Fとなる。
2005年 座席の交換が始まる(バケットシート化)
2006/2 行先・種別案内のLED化を開始(初施行は3718F)。
2014年? 更新工事の施行が始まる(床材の張替え・窓の交換など)
2015年 3748Fを北総にリース。7818Fとなる。
2017年 3738Fを千葉NT鉄道にリース。9808Fとなる。
2021年 3748Fが京成に復帰。6連化。
2024年 3788Fが機器更新。東洋SiC化。
最終更新:2024/4/29
【編成】4枚追加。
【ラッピング】桃園MRTを追加。
【Others】5次車までの標識灯を追加。
【映像】3788F小岩発着を追加。



6次車となる3828Fからは少々デザインが変更。外見では、扉の窓枠の構造が車内側と車外側で逆になった事と前面のライトが異なる事、シングルアームパンタになったことが変更点です。車内側だとイスの袖仕切りの形状が変わっています。このほか、ドアエンジンが変更され既存の編成よりも静かになりました。このタイプの3700形は6両編成と8両編成が2本ずつ在籍しています。

撮影地:京急蒲田
3748Fは北総鉄道へとリースされて7818Fとなりましたが、2019年に青砥駅で脱線事故の当該となり運用を離脱。事故調査が終了の後、台枠が裂けてしまった中間2両が廃車され、6両編成となった状態で京成へと復帰(北総には代わりの3700形を再度リースして代替に充てています)。結果、この編成は、5次車までのスタイルの3700形で初めての6両編成となり、この見た目の3700形が初めて千葉線などの運用に充当される事にもなりました。

6両編成を組成するにあたり、編成組み換えを実施した上でパンタグラフを設置した車両が存在しており、当該の3742号車は1両の中にシングルアームとひし形の2タイプのパンタグラフが存在する変わった形態となっていました(後にシングルアームに統一)。

撮影地:京成津田沼
その後暫くして、今度は3788Fが高砂駅構内の車庫へ向かう線路で脱線。大丈夫か。
この3788Fのうち2両が使い物にならなくなった中、8連として何とか維持するために3748Fから2両を抜き取り、3788Fの残りの編成と組み合わせて3788Fとして残す事になりました。残った3748Fの4両は使い道も無いので廃車になってしまいました。恐らくは、3748Fと3788Fのどちらを残すか検討したうえで、唯一の前期車6連で半端だった3748Fを犠牲にしたのでしょう。波乱万丈な事で…。

撮影地:京成津田沼


編成写真

3000形に編成数こそ及ばないものの、1編成1編成の撮影数が非常に多い3700形。編成写真はページを分割いたします。



編成一覧

5次車まで
3708, 3718, 3728, 3738, 3748, 3758
3768, 3778, 3788, 3798, 3808, 3818

6次車以降
3828, 3838, 3848, 3858, 3868



〜形式別〜
モハ3700形
(M2c)

3781(四ツ木)
モハ3700形
(M1)

3782(四ツ木)

3742(津田沼)


〜ラッピング・ロゴ〜
各種ヘッドマーク類
桃園MRT
(3858F)


〜ドア〜
5次車まで
6次車以降
基本 LED更新 LED更新
黄帯あり
案内表示無し 案内表示無し
黄帯あり
LCD更新
黄帯あり


〜Others〜
5次車まで
車内 原型 パンタグラフ 貫通扉 車椅子スペース 車内 更新
座席 更新 座席袖仕切り 貫通扉 更新 標識灯 LED
6次車以降
車内 原型 座席 座席袖仕切り 標識灯
貫通扉
共通
製造プレート 扉上案内表示
LED原型
扉上案内表示
LED更新
吊り革扉上案内表示
LCD更新


〜行先表示〜
3色LED
A快特 成田快特 成田空港普通 西馬込 特急 成田空港快速 成田快速 佐倉
A快速 羽田空港 快特 羽田空港
フルカラー
A快特 羽田空港快速 成田空港 快速 京成本線快特 京成成田ア特 羽田空港快特 日医大
通特 西馬込回送A快特 青砥 普通 京成高砂快速 京成佐倉普通 ちはら台
普通 青砥
快速 佐倉快速 成田特急 上野
前面種別
フルカラー
アクセス特急


〜車両の音〜
・3700形(〜5次車)走行音

【都営浅草線】大門〜三田(2分6秒:685KB)

モーター自体は東洋GTOのありふれた音ですが、やはり他の採用車同様、微妙に音が事なり、全く同じ音の車両は無いように思います。
・3700形(6次車〜)走行音

【京成本線】海神〜西船(1分46秒:578KB)
【京成本線】中山〜鬼越(1分5秒:354KB)
【都営浅草線】大門〜三田(2分0秒:654KB)…3868Fにて
【北総線】西白井〜新鎌ヶ谷(3分13秒:1.02MB)

6次車以降でも音自体に違いはないものの、ドアエンジンは変更されました。そのため、ドアの音がやや静かになっています。
3700形車載発車放送

3700形で初設置。3500形更新車、N3000形3400形、北総730078009100形でも使われています。基本はこの音色ですが3700形の初期車ではまた別の音色となっていました(※現在は此方の物に統一)。
ただ、北総の3車は滅多にこの発車放送は扱わない模様。

7秒(42KB)


〜映像〜
3728F 日本橋発着(youtube)

3700形は、経営が持ち直し始めた京成電鉄の救世主として導入された車両で、それまでのイメージを覆し、瞬く間に京成のイメージリーダーになりました。今でも見劣りしない車両に思えますが、3000形が余りにも大量に導入された事と、北総線へのリースが度重なった事から全盛期程の存在感は無くなってしまっています。

3758F 八広発着(youtube)

すっかり3000形の陰に潜んでしまいましたが、個人的には今でも京成のイメージは3700形です。時折スカイアクセスの運用に入る事もありましたが、3100形が登場してしまうとその運用もお役御免でしょうか。本線系統ではまだまだ長い活躍を願いたいところです。

3758F 羽田第3発着(youtube)

長きにわたって製造が続いた3000形にすっかり主役を奪われてしまった感がありますが、個人的には京成と言ったら未だにこの車両です。京成の一般車の中では、デザインも一番秀逸なんじゃないかな?子供の頃の憧れの車両でもありました。

3778F 立会川通過(youtube)

京成線内ではなかなか見れない速度で突っ走る様子が京急線内ではよく見られます。

3848F 日暮里発車(youtube)

3700形のうち、3828〜3868の5編成は前面や車内の仕様が変わりました。6連が2本、8連が3本しかいないので、見る事が出来たらラッキーな存在だと言えそうですね。
発車を録ったのはいいのですが、すぐ横の常磐線ホームにE531系が到着してしまい、何だかよくわからない音になってしまったような。

3868F 日本橋発着(youtube)

3700形は製造が長期にわたり、後期に導入された編成は仕様変更が行われました。走行機器的にはそれまでの車両と変わりませんが、前面のデザインが後の3000形に繋がる過渡期的なデザインになっているのが大きな特徴。浅草線に入ってくる8連は3本のみの小世帯である為、都営線内で出会えたらラッキーかもしれません。

3868F
船橋競馬場発車
(youtube)

3700形のうち、6次車以降の編成(3828編成〜)は登場から年数がたったことからマイナーチェンジを施しています。分かりやすい見た目では、前面スタイルが変わり、パンタグラフがシングルアームになりました。8両編成は3本(3848、3858、3868)在籍しており、幅広い運用に用いられています。時々、成田スカイアクセスの3050形の代走に入る事もあったりします。

3798F
西船通過
(youtube)

どんなに3000形が増えても、自分の中での京成のイメージは3700形。そろそろ走行機器の更新などもありそうな気がしますが、まだまだ主役として頑張ってほしいものです。

3738F
船橋競馬場・幕張本郷発着
(youtube)

3700形には6連の編成が2本だけ存在しており、各駅停車主体の運用に用いられる数少ない3700形となっております。この2本が登場したタイミングで内外装のデザインに変更が加えられ、3700形から3000形に代わる過渡期のようなデザインになりました。モーターはそのまま。
6連であるが故に千葉線にも入ります。長い活躍を期待したいところ。

3728F
中山発着
(youtube)

3700形には6連の編成が2本だけ存在しており、各駅停車主体の運用に用いられる数少ない3700形となっております。この2本が登場したタイミングで内外装のデザインに変更が加えられ、3700形から3000形に代わる過渡期のようなデザインになりました。モーターはそのまま。
個人的に、各駅停車でこれが来ると「当たり」だと感じます。

3788F(機器更新車)
小岩発着(youtube)

京成グループに広く存在する東洋GTOの車両は近年まで経年に伴う機器更新が行われていませんでしたが、2024年になって3700形の3788編成が機器更新を受け、東洋ハイブリッドSiCとなりました。東洋SiC自体は3100形に次いで2例目ですが、モーター音は3100形のそれとは異なっています。今後も他の東洋GTOの編成に波及するのかどうかに注目したいところです。



〜風景・並び〜
国府台大神宮下八幡〜鬼越 佐倉品川品川
船橋競馬場津田沼船橋津田沼津田沼成田
津田沼 津田沼


〜その他〜
八幡 押上


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