103系
1963年に登場。1984年までに実に3400両以上が製造された国鉄のベストセラー。101系を経済的に改良した形式で、見た目も簡素なスタイルとしたことからコスト的にも安く、当時は随分と経済的な車両とされていました。導入された範囲も非常に広く、JR各社では四国と北海道以外の全ての事業者で導入されています。
JR東日本では103系では性能が追い付かず&電力消費が多すぎるため早々に209系等に置き換えられてしまいましたが、最末期の頃まで常磐・武蔵野・京葉の各線で活躍を続けていました。この3路線はかなり高速で突っ走る路線。そんな路線に103系が最後まで残っていたのは何だか不思議でした。

一度完全引退した103系ですが、その後しばらくして仙石線のT-235編成がシングルアームパンタ化&トイレ設置の上で運用復帰。一度完全引退した車両が復活する、という大変珍しい例となりました。が、この編成も2009年に南武線から205系が移ってきたことにより引退。長い歴史に幕を閉じたのでした。

上写真は海浜幕張にて。

<JR他社の183系のページはこちらから>
 →JR西日本JR九州
簡単な年表
1963年 登場
1984年 製造終了
1988年 山手線から引退
1990年 横浜・埼京線から引退
1998年 京浜東北線から引退
2001年 総武線から引退
2004年 南武・仙石線から引退
2005年 八高・川越・京葉・武蔵野線から引退
2006/3/18 常磐線・鶴見線から引退。JR東日本の営業用103系はいったん消滅。
2007年 仙石線103系が復活(トイレ設置・シングルアームパンタ化)
2009年 仙石線の103系再引退。JR東日本の営業用103系完全消滅。
最終更新:2020/12/8
【保存車】クハ103-525を新規追加、クハ103-713に1枚追加。
【Others】標識灯以降を追加。
【風景】【その他】新規追加。



【写真】

首都圏においてもっとも最後まで103系が運用されていたのは常磐線。運用番号表示がLEDに改造されていることが、ここの103系の大きな特徴。このほかにも、車内にイスの袖仕切りを追加装備した車両も在籍していましたが、そちらの写真は撮影出来ていません。

撮影場所:南柏
京葉線と武蔵野線の車両の特徴として、運用番号の位置が変更されていた車両が在籍していた事が挙げられます。この特徴は低運転台の車両にのみ見られました。
また、京葉線の103系にはスカートが設置された編成も多く在籍。JR東日本では唯一のもので、異彩を放っていました。写真は両方の特徴を兼ね備えていたケヨ203編成。同様の形態を持つ編成が京葉線には数編成在籍していました。

撮影場所:舞浜
武蔵野線では、運用番号表示の位置を変更した際に元々運用番号表示があった位置に銀色の枠が残された車両も在籍していました。これはトタ29編成。勿論、武蔵野線の編成だけの特徴。

撮影場所:舞浜
一度、JR東日本から完全引退した103系。その後しばらく郡山に仙石線のT-235編成が留置され続け話題になっていたのですが後日これが予備車的な存在として運用復帰。シングルアームパンタに改造され、トイレも設置されるなど、103系としては異彩を放つ存在になりました。
2009年に最後の205系が転属してきた事により再引退し、今度は解体もされてしまったので復活することはもうありませんが、この復活劇は鉄道界にとって大きな話題となりました。

撮影場所:郡山



〜番台および編成別〜
0番台


103系の基本となる車両。0番台にもATC対応、未対応の違い、運転台の構造の違い、車内の構造の違い…等、非常に様々なバリエーションが存在しているので、見た目が似ているようで実はかなり多種多様な車両となっています。車内の構造に至っては、壁、椅子、貫通扉、側扉の組み合わせだけでも一体何通りあるのかわかったもんじゃありません。これは他の番台にも言える事ですが…。

現在、JR東日本での現役運用は消滅してしまい、主な運用はJR西日本のアーバンネットワーク圏内となります。ここでは延命工事として40N、N40、30Nという3通りの更新をされた車両(また随分と分かりにくい名前だ…)が存在していますが、1編成内がこれらの更新車で揃えられる事は稀、という複雑な状況です。

常磐線(退役)
マト4編成
上野行き
北千住
上野行き
取手
マト6編成
上野行き
松戸
マト7編成
常磐線
さよなら103系
馬橋
常磐線
さよなら103系
北千住
常磐線
さよなら103系
北千住
常磐線
さよなら103系
馬橋
常磐線
さよなら103系
南柏
常磐線
さよなら103系
南柏
マト22編成
上野行き
北小金
マト10編成
取手行き
上野
取手行き
上野
マト22編成
取手行き
成田線100th
南千住
上野行き
三河島
マト27編成
成田行き
我孫子
マト32編成
上野行き
南千住
編成不明
上野行き
常磐線100th
南千住
武蔵野線(退役)
トタ6編成
府中本町行き
東松戸
トタ7編成
府中本町行き
武蔵浦和
トタ8編成
むさしのドリーム
府中本町行き
舞浜
トタ9編成
新習志野行き
西船橋
トタ10編成
むさしのドリーム
東京行き
武蔵浦和
トタ13編成
快速 東京
西船橋
快速 東京
西船橋
トタ14編成
むさしのドリーム
東京行き
西船橋
トタ19編成
府中本町行き
西船橋
南船橋行き
西船橋
トタ20編成
むさしのドリーム
府中本町行き
舞浜
府中本町行き
南船橋
むさしのドリーム
東京行き
舞浜
トタ21編成
南船橋行き
東川口
トタ22編成
むさしのドリーム
東京行き
東松戸
トタ24編成
むさしのドリーム
東京行き
舞浜
トタ25編成
快速 東京
西船橋
トタ29編成
むさしのドリーム
東京行き
舞浜
トタ33編成
むさしのドリーム
府中本町行き
舞浜
トタ36編成
快速 東京
西船橋
快速 東京
西船橋
トタ37編成
快速 府中本町
舞浜
南船橋行き
西船橋
府中本町行き
西船橋
南船橋行き
西船橋
快速 東京
西船橋
トタ38編成
むさしのドリーム
東京行き
市川塩浜
編成不明
東京行き
舞浜
むさしのドリーム
東京行き
西船橋
府中本町行き
西船橋

京葉線(退役)

ケヨ103編成
蘇我行き
舞浜
ケヨ105編成
マリンドリーム
蘇我行き
舞浜
快速 東京
海浜幕張
ケヨ203編成
蘇我行き
舞浜
ケヨ204編成
マリンドリーム
蘇我行き
舞浜
ケヨ205編成
快速 東京
蘇我
ケヨ301編成
蘇我行き
舞浜
ケヨ302編成
マリンドリーム
東京行き
舞浜
マリンドリーム
蘇我行き
舞浜
ケヨ304編成
マリンドリーム
東京行き
舞浜
蘇我行き
舞浜
ケヨ306編成
快速 蘇我
舞浜
東京行き
南船橋
海浜幕張行き
南船橋
ケヨ308編成
東京行き
海浜幕張
東京行き
葛西臨海公園
東京行き
舞浜
編成不明
東京行き
舞浜
快速 蘇我
南船橋
中央・総武緩行線(退役)
ラシ303編成
三鷹行き
津田沼
千葉行き
船橋
ラシ307編成
千葉行き
船橋
ラシ308編成
津田沼行き
東船橋
千葉行き
津田沼
ラシ315編成
回送
津田沼
三鷹行き
船橋
三鷹行き
津田沼
ラシ327編成
中野行き
本八幡
津田沼行き
御茶ノ水
中野行き
船橋
中野行き
市川
編成不明
中野行き
船橋
南武線(退役)
ナハ31編成
立川行き
尻手
仙石線(退役)
N-67編成
うみかぜ
石巻行き
仙台
T-112編成
普通 東塩釜
あおば通
T-124編成
普通 回送
あおば通
うみかぜ
あおば通行き
仙台
T-235編成
郡山



1000番台

1970年に営団地下鉄(現:東京メトロ千代田線直通のために登場した番台で、A-A基準に準拠して作られたほか、前面に貫通扉が設けられるなどの地下鉄対策が用いられているのが他の103系との違い。ブレーキ解除音も他の103系と違います。地下での発熱量がハンパじゃなかったため早々に203系に置き換えられてしまい、その後は常磐線快速で活躍を続けていました。
常磐線以外では、105系に改造されてJR西日本で活躍したり、地下鉄東西線直通用に転属したりもしました。最後に残った103系1000番台は、2004年にE231系に置き換えられて常磐線から引退しました。なお、105系に改造された車両についてはまだ活躍を続けています。

常磐線(退役)
マト17編成
上野行き
北千住
取手行き
上野
中央・総武緩行線(東京メトロ東西線)(退役)
編成不明
西船橋行き
西葛西



1200番台

こちらは1000番台と違い、営団地下鉄(現:東京メトロ)東西線直通用に作られた車両。すでに301系が登場していましたが、301系は当時製造費がかなりかさむ車両だったため、後に増備された時は103系になりました。一時は301系との混成編成も見られましたが、最終的にはこれは解消されています。1000番台との外見上の違いは、運転台後の戸袋窓の有無。

中央・総武緩行線(東京メトロ東西線)(退役)
編成不明
中野行き
西船橋



3000番台

72系の車体更新車を新性能化した車両。基本的に他の103系と変わらないのですが、半自動ドアスイッチが付けられ、ドアエンジンも115系と同様のものとされました。側扉に目立つ取っ手が付けられているところも異なるところ。1985年に登場し、205系および209系の導入で2005年に引退しました。

八高線・川越線(退役)
ハエ51編成
八王子行き
川越
ハエ55編成
川越行き
高麗川



3500番台

3500番台は東と西に存在していますが、両車の関係は全くありません。

現在、東の3500番台はすでに全車退役済み。そちらについての説明から入ると、これは八高・川越線の輸送力増強のために増備された車両で、この車両は72系からではなく既存の103系に半自動ドアスイッチをつけて登場しました。

JR西の3500番台は播但線の電化開業のために改造された形式で、JR西日本の103系に施されていたのと同様の40N更新を行い、且つワンマン運転ができて2両1組で走れる車両として1997年から製造されました。

八高線・川越線(退役)
ハエ56編成
川越行き
八王子


〜保存車〜
クハ103-525
(ポッポの丘)
クハ103-713
(鉄道博物館)


〜ドア〜
ドアA
金具1【窓】
黒Hゴム【中央】
ドアB
金具1【窓】
灰Hゴム【中央】
ドアC
黒Hゴム【窓】
灰Hゴム【中央】
ドアD
金具2【窓】
黒Hゴム【中央】
ドアE
黒Hゴム【窓】
黒Hゴム【中央】


〜車内〜
車内A
緑壁
車内B
化粧版壁


〜ヘッドマーク〜
さよなら103系
(常磐線)


〜Others〜
貫通路扉 パンタグラフ 扇風機 つり革 運転台 非常通報機
標識灯台車 座席吊り革


〜行先表示〜
東京


〜車両の音〜
・103系(低音モーター)走行音

【京葉線】蘇我〜千葉みなと(4分11秒:1.3MB)
【常磐線】北千住〜南千住(2分33秒:832KB)

最も基本となる103系の走行音。やっぱりこの音を聞くと落ち着きますね。
京葉線も常磐線もかなり速度を出す路線だったので豪快な音を聞くことが出来ました。

・103系(高音モーター)走行音

【武蔵野線】市川大野〜東松戸(2分17秒:749KB)

一応、高音のモーターの車両の方が製造は後らしいのですが、どちらの方が静かかと言われると頭を抱えてしまうところ。どちらも途方もなく煩いのですが、それもまた味なのかもしれません。

・103系1000番台(低音モーター)走行音

【常磐線】日暮里〜上野(3分9秒:1.0MB)

こちら1000番台。各駅停車用に作った車両が快速に転用されるという珍事が起こった常磐線でしたが、その1000番台も0番台より先に引退してしまいました。走行音的には、ブレーキ解除音が違うくらい。他は大差なしです。

・103系閉扉音

103系の特徴のひとつ。ドアが閉まる前に1度大きな音がします。大体の車両は開扉より閉扉のほうが動きが遅いものですが、103系はその逆のようです。1000番台・1200番台ではこの空気の音がしないため、閉扉時は随分と静かでした。

5秒(29kB)


〜風景・並び〜
ポッポの丘ポッポの丘


〜その他〜
大宮鶯谷

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