6000系
1968年に試作車が登場、1971年3月に千代田線が開業したことによって営業を開始した旧営団地下鉄の傑作のひとつで、回生ブレーキ付き電機子チョッパ制御方式といった当時の最新技術を積極的に採用し「耐用年数40年以上」を基本方針として登場しています。製造自体も非常に長期にわたって続き、1990年まで製造が続きました。実に20年以上。今となってはレトロなこのデザインも、1968年当時は非常に斬新なもので、「未来」の鉄道の形として注目されていました。

ただでさえ製造期間が長い上に更新も長い期間をかけて行われたことから形態が非常に多く、一個人が把握できる範疇を越えているのも趣味的に面白くて「沼」と言えるところ。個人的にはいつまでもいつまでも運用され続けるのではないか、というイメージがありましたが、16000系の増備によって置き換えが進み、2018年10月に運用を終了。その後は試作車の編成が北綾瀬の工場に保管されているほか、何本かの編成がインドネシアのジャボタベックへと譲渡されています。

上写真は6032F。下北沢にて。
簡単な年表
1968年 登場
1971年 量産車登場
1972年 鉄道友の会ローレル賞受賞
1979年 試作車が抵抗制御化される
1990年 増備終了
2005年 6031Fタイプの更新作業を開始(6024Fから)
2018/10 引退
最終更新:2020/11/9
【編成別】04F,05F,09F,14F,19F,24F,25F,34F(1枚)、16F(4枚)を追加。
【保存車】モックアップを置き換え
【その他】根津メトロ文庫を追加。




東西線の葛西駅下にある地下鉄博物館には、6000系を模した運転台シミュレーターが設置されています。どうやらこれの番号は6000、となっているようです。番号の重複は生じていないようですね。

撮影場所:地下鉄博物館
根津駅に設置されている6000系を模したミニ図書館。ちゃんとパンタグラフも乗っているこだわり様。ある種の名物になっています。

撮影場所:根津

1次試作車

1968年に世界初となるチョッパ制御の車両の実用化のために登場。当初から3両編成です。後の量産車と比べると前面の傾斜が緩いなどといった違いがあります。北綾瀬支線専用車として運用されましたが、5000系が運用される日が多く、なかなか6000-1Fを見ることはできませんでした。引退後も保管が続いています。

該当する編成…6000-1F
6000-1F
廃車
→保管
綾瀬⇔北綾瀬
綾瀬
綾瀬⇔北綾瀬
綾瀬
綾瀬⇔北綾瀬
北綾瀬
綾瀬⇔北綾瀬
北綾瀬
綾瀬⇔北綾瀬
綾瀬
綾瀬⇔北綾瀬
綾瀬


2次試作車

1969年に1次試作車の結果を踏まえて登場した車両。当初は6両編成でしたが、現在は10両編成に増強されています。現在も千代田線で活躍していますが、車体側面の裾がずいぶんと長く、コレがもとで小田急線への直通運転に用いることはできないようです。そのため、ある程度運用は限定されています。

該当する編成…6101F
6101F
廃車
→ジャボタベック
代々木上原行
新松戸
我孫子行き
我孫子
代々木上原行
代々木上原行


1次車

本格的な量産車として1971年から登場した車両。見た目の特徴としては、6000系統で唯一(6000-1Fを除けば)側窓が2段窓になっていることが挙げられます。これは更新されてもそのまま。
1次車の最初の編成、つまり量産車第1号の6102Fは、引退後も10両編成まるまる東京メトロで保管されています。動態保存とするつもりなのかもしれません。

該当する編成…6102F〜6113F
6102F
廃車
→保管
代々木上原行
馬橋
唐木田行き
亀有
多摩急 唐木田
喜多見
唐木田行き
北松戸
多摩急 唐木田
梅ヶ丘
6103F
廃車
未撮影
6104F
廃車
取手行き
代々木上原
代々木上原行
北小金
我孫子行き
馬橋
我孫子行き
馬橋
多摩急 唐木田
綾瀬
6105F
廃車
我孫子行き
南柏
6106F
廃車
→ジャボタベック
代々木上原行
我孫子
6107F
廃車
→ジャボタベック
我孫子行き
亀有
代々木上原行
松戸
代々木上原行
北柏
代々木上原行
我孫子
6108F
廃車
→ジャボタベック
代々木上原行
綾瀬
代々木上原行
我孫子
6109F
廃車
我孫子行き
亀有
我孫子行き
金町
6110F
廃車
代々木上原行
新松戸
我孫子行き
新松戸
6111F
廃車
未撮影
6112F
廃車
→ジャボタベック
代々木上原行
北小金
我孫子行き
南柏〜柏
多摩急行 柏
喜多見
我孫子行き
金町
代々木上原行
綾瀬
6113F
廃車
我孫子行き
松戸
代々木上原行
南柏
我孫子行き
北松戸
代々木上原行
綾瀬


2次車

代々木公園駅まで千代田線が延伸開業した際に追加増備された車両。基本的に1次車と同じなのですが、更新された際に側窓が1段下降式のものに改造されています。

該当する編成…6114F〜6119F
6114F
廃車
綾瀬行き
綾瀬
我孫子行き
亀有
取手行き
北小金
相模大野行き
南柏
6115F
廃車
→ジャボタベック
我孫子行き
松戸
6116F
廃車
→ジャボタベック
我孫子行き
馬橋
我孫子行き
金町
我孫子行き
北小金
綾瀬工場 綾瀬工場 綾瀬工場
綾瀬工場 綾瀬工場 代々木上原行
綾瀬
我孫子行き
唐木田行き
我孫子行き
6117F
廃車
→ジャボタベック
多摩急 唐木田
下北沢
我孫子行き
松戸
6118F
廃車
→ジャボタベック
我孫子行き
北松戸
唐木田行き
我孫子
我孫子行き
新松戸
6119F
廃車
→ジャボタベック
唐木田行き
我孫子
代々木上原行
K運用
馬橋
柏行き
馬橋
代々木上原行
新松戸
代々木上原行
新松戸
我孫子行き
南柏


3次車

登場当初から小田急線乗り入れ用の機器を設けています。その他、登場当時から側面行先表示があったことも2次車との違い。代々木公園〜代々木上原の開業とともに増備されました。

該当する編成…6120F・6121F
6120F
廃車
→ジャボタベック
代々木上原行
新松戸
柏行き
代々木上原
6121F
廃車
→ジャボタベック
代々木上原行
我孫子
我孫子行き
南柏


4次車

1981年以降に登場したグループ。側窓が大きな1段下降式になったのが今までとの一番の違いとなります。現在、6000系の未更新車が残る最も古いグループがこの4次車となっていますが、更新された編成も存在しています。
この4次車の更新が、後の7000系8000系の更新に影響することとなったのですが、営団地下鉄当時に更新された編成と東京メトロになってから更新された編成で側扉の形が異なっており、後者が今後の標準となるようです。

該当する編成…6122F〜6128F
6122F
廃車
→ジャボタベック
我孫子行き
松戸
6123F
廃車
→ジャボタベック
代々木上原行
松戸
取手行き
北小金
6124F
廃車
→ジャボタベック
多摩急 唐木田
代々木上原
我孫子行き
亀有
6125F
廃車
→ジャボタベック
取手行き
我孫子
綾瀬行き
綾瀬
我孫子行き
6126F
廃車
→ジャボタベック
唐木田行き
馬橋
6127F
廃車
我孫子行き
馬橋
松戸行き
代々木上原
6128F
廃車
取手行き
我孫子
代々木上原行
我孫子
我孫子行き
我孫子


5次車

1984年から登場した車両。側扉の窓が大きくなりました。車内も千代田線らしく緑色だったのですが、現在はすべての編成が更新されているためその様子を見ることはできません。なお、4次車と5次車の更新された編成については今後20年程度は使用する予定とのこと。

該当する編成…6129F〜6132F
6129F
廃車
→ジャボタベック
我孫子行き
馬橋
我孫子行き
亀有
唐木田行き
北小金
我孫子行き
北小金
6130F
廃車
→ジャボタベック
唐木田行き
馬橋
多摩急 我孫子
喜多見
6131F
廃車
→ジャボタベック
多摩急行 取手
祖師ヶ谷大蔵
代々木上原行
松戸
唐木田行き
馬橋
我孫子行き
我孫子
6132F
廃車
→ジャボタベック
代々木上原行
我孫子
多摩急 唐木田
下北沢


6次車

1988年に登場したグループ。登場当初から冷房装置を採用し、また、車内の緑色が淡い色に変更され、落ち着いた雰囲気となりました。

該当する編成…6133F・6134F
6133F
廃車
取手行き
金町
我孫子行き
金町
我孫子行き
北小金
我孫子行き
6134F
廃車
代々木上原行
我孫子
代々木上原行
我孫子
代々木上原行
綾瀬
代々木上原行
松戸


7次車

1990年に増備された最終グループで6035Fのみが該当します。界磁チョッパ車でありながら、自動放送、ドアチャイム、ドア上の案内表示を装備しています。同様の形態は8000系の8110Fにも見られます。
6000系の中でもオンリーワンな編成として目立っていたものの、他の6000系が更新されてドアチャイムや案内表示がついてからは地味な存在に成り下がってしまっていました。
残念なことに、故障によって再起不能になったため2011年末に廃車されています。

該当する編成…6135F
6135F
廃車
我孫子行き
新松戸
代々木上原行
馬橋
唐木田行き
我孫子


〜保存車〜
モックアップ
(地下鉄博物館)


〜形式別〜
6100形
6103(綾瀬工場)

6106(綾瀬工場)

6115(松戸)

6117(松戸)
6200形
6215(松戸)
6300形
6315(松戸)
6500形
6510(馬橋)
6700形
6710(馬橋)
6800形
6810(馬橋)
6900形
6910(馬橋)
6000形
6001(我孫子)

6007(亀有)

6010(馬橋)

6014(亀有)

6015(松戸)


〜ドア〜
1次試作車
更新
小窓(原型)
4次車まで
中窓(原型)
5次車
中窓(更新) 中窓(更新)
スピーカーあり
中窓(更新)
LEDあり
中窓(原型)
6次車
中窓(原型)
7次車
LEDあり
大窓(更新)
複層ガラス
スピーカーあり
大窓(更新)
複層ガラス
LEDあり
大窓(更新)
単層ガラス
スピーカーあり
大窓(更新)
単層ガラス
LEDあり


〜車内〜
1次試作車
更新
2次試作車
更新
1次車
更新前期
1次車
更新後期
2〜3次車
更新
4次車(原型)
モケットのみ更新
5次車(原型) 4・5次車
更新
6次車(原型) 7次車(原型)
モケットのみ更新


〜貫通扉〜
貫通扉A
6・7次
貫通扉B
1〜3次更新・7次
貫通扉C
1〜3次更新の一部
4・5次更新


〜座席〜
2次試作車 6次車 6次車
優先席


〜Others〜
吊り革 扇風機 パンタグラフ 側窓 2段窓 消化器
試作車で確認
1両に1台設置
試作車
貫通路の様子
側灯
試作車

試作車にて確認
側灯 社紋 ロゴ 転落防止幌
標識灯 標識灯
中間運転台
製造表示
近畿車輛
車椅子スペース
6101Fにて
運転台


〜行先表示〜
LED
代々木上原 取手 多摩急 唐木田 回送
代々木上原 唐木田 多摩急 唐木田 松戸 取手
我孫子
試作車
(幕撤去跡)


〜車両の音〜
6000系警笛

いたって普通の音。現在では6000系・7000系(副都心線対応車以外)・8000系・01系・02系で聞くことができます。

3秒(20KB)
・6000系(界磁チョッパ車)走行音

【JR常磐線】柏〜北柏(2分26秒:797KB)
【JR常磐線】北松戸〜馬橋(1分52秒:610KB)
【JR常磐線】柏〜南柏(2分43秒:886KB)
【JR常磐線】柏〜北柏(2分26秒:793KB)…6034Fにて

基本的に登場当時からそのままの音。8000系の界磁チョッパ車両と同じ音かと思いきや、全然違います。爆走時の走行音はなかなかのもの。

・6000系(三菱IGBT)走行音

【JR常磐線】綾瀬〜亀有(2分33秒:834KB)
【JR常磐線】新松戸〜北小金(1分46秒:580KB)
【JR常磐線】北小金〜南柏(2分46秒:905KB)
【JR常磐線】我孫子〜北柏(2分33秒:831KB)…6101Fにて
【JR常磐線】北柏〜柏(2分41秒:875KB)…6101Fにて

6000系のVF車で最もありふれた音。京急N1000形の1401Fで試験採用された音もこれとうり2つな音なのですが、あくまでも向こうはシーメンス製とのこと。なお、綾瀬〜亀有の音声は閉扉中によく分からない音が入っていますが、コレは扉から空気が抜ける音。ドアが動く際、時々こんな音がすることがあります。ちなみに、2次試作車の6101Fもこの音だったりします。

・6000系(日立IGBT)走行音

【JR常磐線】北松戸〜馬橋(1分51秒:604KB)

こちら、日立VVVFの車両の走行音。起動時は三菱と比べて静かな印象。
雨が降っていたのでかなり空転しています。

・6000系(東芝IGBT)走行音

【JR常磐線】松戸〜北松戸(2分32秒:824KB)

扉の窓が大きくなった更新車の走行音がこちら。非常に静かなのは良いのですが、ドアエンジンが交換されていないのでドアが動く時の音が若干やかましいかもしれません。この更新を施された車両は今後も当面の間使用される予定。

・6000系6135F走行音

【JR常磐線】柏〜北柏(2分44秒:892KB)

界磁チョッパの未更新車で唯一ドアチャイムが付いている6135F。
ドアチャイムが付いている以外は音は全く変わりません。

・6000系6000-1F走行音

【北綾瀬支線】北綾瀬〜綾瀬(4分20秒:1.37MB)

度重なる試験の末、抵抗制御に変更された試作車。現在、東京メトロ唯一の抵抗制御車です。とはいえ、走行音は5000系(一応界磁扱い)と変わらないようです。北綾瀬支線は走行がかなりノンビリしているので、いまいちどんな音かは分かりにくくなりますが…。



〜映像〜

・6000系(6124F)新松戸発車(youtube)

実質「JR千代田線」状態の常磐緩行線にて。 メトロ6000系の中で更新工事を施行した際に扉の窓を大きくした最初のグループとなる6024F。この更新で交換された扉は大抵の場合後の10000系等と同じ形の窓となっているのですが、このグループに関しては既存の0系統と同じ扉。そのためちょっと特殊な見た目とも言えるかもしれません。といっても気にせず乗っていたら気付かない程度の違いではありますが・・・。 16000系が登場した後本格的な置き換えが予想される6000系ですが、このあたりの徹底的な更新を施した編成は今しばらく残るとも言われており、今後どうなるのかが気になる存在です。本数が多い&運用範囲が広いことからまだ撮影出来ていない編成が2〜3本あったりします。引退までに撮れるといいけれど・・・。


・6000系 ドア開閉(その1)(youtube)

ドアエンジンの音→A / 窓の大きさ →中型
窓枠 → 金具のみ。車内側が平坦
ドアの動き → 通常。爆弾ドアと言うほどではない。
ドアチャイム → 無し。


・6000系 ドア開閉(その2)(youtube)

ドアエンジンの音→A / 窓の大きさ →中型
窓枠 → 金具のみ。車内側が平坦
ドアの動き → 通常。爆弾ドアと言うほどではない。
ドアチャイム → あり。



〜風景・並び〜
綾瀬工場綾瀬工場綾瀬工場


〜その他〜
根津

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