駅メロディ (丸ノ内線)

副都心線の開業から暫くして、丸ノ内線の車載発車放送が突如メロディ化して話題になったが、その後しばらくして各駅各ホームに異なる曲が導入されることになり、おいおいそこまでやって大丈夫なのかと良くも悪くも話題になった。導入後様々な試行錯誤が繰り返された事も、後の路線に導入するためには必要な事だったのだろう。

このページの最終更新日:2020/11/9

※駅メロディのページ全てに載せている諸注意。
【1】音源は権利関係が面倒なので公開する予定はありません。各自で検索して聞いてみて貰えれば。
【2】情報の信憑性については、それぞれのページの最終更新日で判断してください。
【3】この纏めを参照して収録しに行ってみて違うものが流れていた場合でも一切の責任は負いかねます。
【4】全ての駅の使用状況を網羅できている訳ではありません。特に、過去の接近メロディに関しては全てを把握するのはどれだけ調べてもまず不可能です。ご了承ください。
【5】この纏めにおいては以下の曲名は用いていません(正式な曲名と勘違いされるのを防ぐ為)。
・「近郊地域○○番」「音色Aa」等の「発車ベル使用状況」で使われている整理番号。
・「東上A」「はいいち」等の趣味人の間での俗称。
その為、「曲名不明 ○○」となっているものが多数存在します。多少見づらいとは思いますがご了承下さい。



本線
駅名荻窪方面池袋方面備考
M-01 荻窪【1】星の贈り物 / 塩
【2】ハート畑 / 福
丸ノ内線は、まずは車載の発車放送がメロディ化された。その後しばらくして各駅各駅に異なるメロディを導入したのだが、すぐに様々な理由から使用が中止され、以後暫くの間車載の発車放送のみを用いる状態が続いていた。車載メロディがあるのに駅側のメロディも導入するのはやりすぎでは…?とも思ったものだが、結局のところその形態が今や全線に波及しているので、この丸ノ内線の試行錯誤も今の状態に至るための通過儀礼のような物だったのだろう。

メロディを作る側も短期間に大量に作る事になってしまったからか、正直な所「急ごしらえ」感を感じてしまう様な出来の物も散見される。何よりも曲名が全体的に酷い。らくらく乗降、レインボ電車、サニーサイドステーション、ハート畑……無理して曲名付けなくてもいいのに…と感じる所である。メインで担当した塩&福&谷の3名が相当苦しめられたことは想像に難くない。

曲名横の漢字は作曲者が誰であるかを示している。
【塩…塩塚博 / 福…福嶋尚哉
 谷…谷本貴義 / 串…串田了
 熊…熊木理沙 / 松…松澤健
 若&三…若林剛太&三留研介】
以上9組10名の作曲者が担当している。それぞれの担当数としては以下の通りである。

塩塚博…14曲
福嶋尚哉…24曲
谷本貴義…9曲
串田了…7曲(※1)
熊木理沙…2曲(※1)
松澤健…1曲(※2)
若林剛太&三留研介…1曲(※3)



M-02 南阿佐ヶ谷ひかりの反射 / 谷夢行きステップ / 福
M-03 新高円寺Blue Sky / 谷ハートスタイル / 福
M-04 東高円寺羽根をひろげて / 塩駅にサンキュー / 福
M-05 新中野Comical Train / 谷スイートムーン / 福
M-06 中野坂上(※4)Endless Trip / 谷【2】ラッキーボーイ / 塩
【3】角を曲がれば / 塩
M-07 西新宿ラッキーカード / 塩ピアノマン / 松
M-08 新宿ミツバチの兄弟 / 塩きらめく小川 / 熊
M-09 新宿三丁目ステーションベル / 福ひとやすみ / 谷
M-10 新宿御苑前レインボウ電車 / 福駅メモリー / 福
M-11 四谷三丁目トレインライト / 福cielo azur(碧空) / 若&三
M-12 四ツ谷駅ウォーキング / 串ヒーリング電車 / 串
M-13 赤坂見附メトロタウン / 熊レインシャワー / 塩
M-14 国会議事堂前ランダムショット / 塩東京旅姿 / 福
M-15 霞が関Tokyo Line / 谷スマイル電車 / 福
M-16 銀座明日の扉 / 串小鳥の行進 / 塩
M-17 東京らくらく乗降 / 串夢心地 / 福
M-18 大手町快適乗降 / 串潤い電車 / 福
M-19 淡路町Safety / 谷駅スイート / 福
M-20 御茶ノ水ハートレール / 串ジェントルトレイン / 福
M-21 本郷三丁目素敵にハート / 串サニーサイドステーション / 福
M-22 後楽園(※5)マウンテン / 塩サークルゲーム / 福
M-23 茗荷谷(※5)ブザーブザー
M-24 新大塚もうすぐ扉が閉まります / 谷
(※6)
ドリーム駅 / 福
M-25 池袋【1】フランソワ / 塩
【2】キラリトレイン / 福
車載メロディ
(※7)
街並みはるか / 谷舞フラワー / 福
支線
駅名方南町方面中野坂上方面
Mb-03 方南町(※8)【1】スペシャルゲスト / 塩
【2】希望の電車 / 福
Mb-02 中野富士見町(※8)スタイルブック / 福コサージュ / 福
Mb-01 中野新橋(※8)落ち葉の舗道 / 塩ロッキン・メトロ / 塩
M-06 中野坂上(※8)【1】Endless Trip / 谷
【2】ベリル / 福


・過去に採用されていたメロディ/サイン音について
曲名作曲者使用駅備考
スペシャルゲスト塩塚博茗荷谷#1
あまり深入りしない方が良い事情によるもの。下記「よもやま話」の(※5)にて詳述。尚、この2曲は後に方南町のメロディ化で再利用されることになった。

希望の電車福嶋尚哉茗荷谷#2


・丸ノ内線発車メロディ関連 よもやま話
(※1)他で聞いた事が無い方が2名ほど…
急に大量に導入する事になった結果なのだろうとは思うが、他の路線では聞かない方が2名ほど混ざっているのも丸ノ内線の大きな特徴。このように、スイッチにもあまり名が知れていない音楽家が少なからずいる物と思われる。串田氏の曲については、福嶋氏の曲と音色が似ているものの全体的に音がハッキリしてテンションが高い事が「なんとなく」の判別点。中にはテンションが高いを通り越して五月蠅い曲もある(東京と大手町の「乗降」シリーズ2曲が最たる例)のが何ともコメントに困る所。
熊木氏については制作したとされる2曲の毛色が全く異なるので判別方法は無い。他にも曲を作ってもらえたら特徴が分かるかもしれないのだが…。

(※2)「鉄のバイエル」が目に留まり。
1曲だけ担当している松澤健という人物は、YouTubeやニコニコ動画で一時有名になった発車メロディをピアノで演奏する動画の投稿主。氏は後に耳コピで作った発車メロディの譜面を「鉄のバイエル」としてリリースしている。このような活動が目に留まったのかスイッチから声がかかったようで、この様に実際に駅メロディを作る事になった。人間、何らかの形で活動しておくもんですなぁ。その曲名が「ピアノマン」と如何にも松澤氏らしさ抜群なのも微笑ましい。
尚、松澤氏はスイッチにて「8bitで発車メロディを再現する」企画も行っており、その音源が鉄道モバイルで配信されていたりもする。

(※3)東京メトロでは唯一の採用
※1で書いたような「早急にたくさん作る必要があったから」か、普段担当しない人が多数紛れ込んでいる丸ノ内線だが、そのうち四谷三丁目にある同曲は「Water Crown」等でお馴染みの若林剛太&三留研介ペアによる作。スイッチ扱いでこのペアが作った曲はこの曲を含めても2曲のみ(2020/8現在)で、そういった意味でも非常に貴重な物と言えるだろう(最も、言われないと福嶋氏の作のように聞こえてしまうのだが…)。

(※4)中野坂上のメロディ使用について
中野坂上は、本線の1番線と3番線の間に、両方向から乗り降りが可能な方南町支線用の2番線が存在している。このうち「2番線から発車する6両編成」でのみ扱われる曲が存在している。要するに方南町支線に直通する6両編成を狙えば良いのだろうと思いきや、早朝深夜の数本を除き、本線からの直通は1番線と3番線を使用する為、わざわざこのために1曲作る必要があったようには思えない。そして、詳しくは後述するが、中野坂上を含めた方南町支線の曲は、個人的には「以前から作っていたが採用から漏れていた曲を詰めた」という雰囲気を感じる。そういった「余り物」故にこんな使われ方をしているのだろうか?とも感じている所だが、…まぁ、遠からず「6両への統一」か「3両編成でも発車メロディが扱える設定にする」のいずれかが起こるのではないだろうか。そうでないと流石にわざわざ作った意味が無い。

(※5)騒音問題と地元の確執
各駅へのメロディ導入に際し、後楽園と茗荷谷に関しては周辺の住宅への配慮の為に他の駅よりも早くに使用が中止され、車上扱いに統一して見たり、音量を調整したりと様々な試行錯誤が行われていた。結果として後楽園は他の駅と同様の放送形態になり、茗荷谷は必要最低限の放送+ブザーのみ、という形に落ち着いている。茗荷谷がこうなった経緯はただ「住宅が近い」だけではない複雑な問題があり、色々あって周辺住民からの丸ノ内線に対する目が非常に厳しい…という事情がある。茗荷谷駅周辺では電車が露骨に速度を出さないのも、この様な事情が絡んでいる。br> …とはいえ、茗荷谷駅の放送は本当に存在する意味が無い程小さい音量で他の駅と比べて最低限の内容が放送されるだけ、という有り様で、半ばメトロ側が痺れを切らして極端な放送形態に設定したようにも思えてしまってならない。長々書いてしまったが、要するに茗荷谷がこんな放送形態になっている理由には深入りしない方が良い、という事だ。尚、茗荷谷に発車メロディが導入されていた頃は、後に方南町に採用された2曲が入っていた。
後楽園も似たような事情で発車メロディの使用が停止されていたとの話だが、正直丸ノ内線なんかよりよっぽど喧しい物(東京ドームシティ)があるので実際の理由は不明。結果として他の駅と同じ放送に落ち着いているので、此方は真っ当な判断がされたと言えそうである。

(※6)遊び心
新大塚の「もうすぐ扉が閉まります」。なんじゃそりゃと思う曲名だが、実際のメロディに乗せてこの曲名を読み上げてみて欲しい。…お判りいただけただろうか。そういうことである。アニソンシンガーの谷本貴義氏ならではの遊び心のある曲だった、というのが真相だろう。

(※7)車載と駅は両方必要なのか?という話
丸ノ内線では、まず車載の発車放送がメロディ化し、後に各駅にメロディが導入されたわけだが、一度この各駅のメロディが使用中止となり、車載メロディに統一されていた時期があった。どっちかだけでいいんじゃないの?正直騒がしくない?等、様々な話が出たのだろう。結局、現在では他の路線も含めて駅でも車載でもメロディが使用されているのはご存じの通りであり、丸ノ内線でこの様な話が出て試行錯誤を行うことになったのはいわば通過儀礼の様な話だったと言えるだろう。
尚、導入当初の02系では酷い音質だったものの、2000系や更新された02系では綺麗な音質で聞くことが出来る。そして、それらは音源と比べてやや音程が高くなっているのも、他の路線の状況と同様である。

(※8)「余り物寄せ集めセット」なのでは?
方南町支線と本線の直通が大幅に増加する事になった際に、方南町支線の各駅もメロディ化が施されたが、その際方南町には茗荷谷で使われたが為に幻となっていた2曲が導入されて話題となった。要するに「採用から漏れた物が再利用された」形になったわけだが、…個人の予想ではあるが、他の駅の曲も「今までに作っていたが採用から漏れていた曲」の詰め合わせであるように思える。特に中野坂上の「ベリル」は他の曲と全く毛色が異なっており(本当に福嶋氏の作なのかと思ったほど)、本来他の用途の為に作っておいたが採用から漏れていた曲を取り敢えず方南町支線に詰め込んだのではないだろうか…と感じている。同じ印象を感じている人、いませんか。




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