駅メロディ (副都心線)

2008年に新規路線として開業した副都心線。当初は渋谷止まりだった事からいつ載っても閑散としていた物の、東急東横線との直通を開始して以降、埼玉〜神奈川のバイパス線的な役割を担う事になり、それまでと打って変わって非常に混雑する路線になった。

副都心線では、開業当初より各駅(有楽町線との供用区間である小竹向原以北を除く)でホームドアと発車メロディを採用し、それまでの路線と大きく雰囲気を変えた事が大きな変化となった。そして、各駅(一部例外はあるが)ほぼ全てのホームで違う曲を導入する事は後に他の路線にも波及していった。

このページの最終更新日:2020/11/9

※駅メロディのページ全てに載せている諸注意。
【1】音源は権利関係が面倒なので公開する予定はありません。各自で検索して聞いてみて貰えれば。
【2】情報の信憑性については、それぞれのページの最終更新日で判断してください。
【3】この纏めを参照して収録しに行ってみて違うものが流れていた場合でも一切の責任は負いかねます。
【4】全ての駅の使用状況を網羅できている訳ではありません。特に、過去の接近メロディに関しては全てを把握するのはどれだけ調べてもまず不可能です。ご了承ください。
【5】この纏めにおいては以下の曲名は用いていません(正式な曲名と勘違いされるのを防ぐ為)。
・「近郊地域○○番」「音色Aa」等の「発車ベル使用状況」で使われている整理番号。
・「東上A」「はいいち」等の趣味人の間での俗称。
その為、「曲名不明 ○○」となっているものが多数存在します。多少見づらいとは思いますがご了承下さい。



駅名和光市方面渋谷方面備考
F-01 和光市(東武扱い)ベル(※5) 曲名横の漢字は作曲者が誰であるかを示している。
【塩…塩塚博 / 福…福嶋尚哉
 谷…谷本貴義 / 山…山崎泰之】
以上4名の作曲者が担当している。それぞれの担当数としては、

塩塚博…12曲(※1)  福嶋尚哉…15曲(※2)
谷本貴義…8曲(※3)  山崎泰之…1曲(※4)

といった具合(※有楽町線との供用区間を含む)で、福嶋氏によるものが若干多めである。とにもかくにも、全駅で異なるメロディを導入した、という事が何より大きな衝撃であった。当時の東京メトロでは、南北線で独自のサイン音を導入していたのを除けば基本的には全て発車ブザーを使用していた。新線開業とともに大幅なイメージチェンジを図ったものと思われるが、各駅各ホームすべて違う曲というのは衝撃的な物で、そしてそれが副都心線にとどまらず全線に波及する事になるとは、当時誰が思っただろうか。最初の導入となった副都心線の曲は、この後に入った丸ノ内線や有楽町線と比べて、いくらか曲名もマシなようにも思える(駅ストレッチ、プラット散歩2などと言った酷い曲名もあるにはあるが…)。

また、初期の導入となったこの副都心線・有楽町線・丸ノ内線では所謂「ご当地メロディ」「イメージメロディ」の類は導入されておらず、全てが全くのオリジナルとなっている(東急扱いの渋谷の3・4番線を含めて良いのならば一応そちらはイメージメロディとなるのだが、現在3・4番線からの副都心線の発車は存在していない)。

F-02 地下鉄成増はらり / 塩電車ライト / 福
F-03 地下鉄赤塚始まるよ / 塩レッツトレイン / 福
F-04 平和台こおろぎ / 塩輪になって / 塩
F-05 氷川台ワクワク電車 / 福もう来ます / 谷
F-06 小竹向原
(※6)
【4】無休 / 谷
【3】キャロット / 塩
【1】オーバーフロー / 塩
【2】駅ストレッチ / 福
F-07 千川
Good Day / 谷オン・ザ・コーナー / 塩
F-08 要町イーストパラダイス / 福City Runner / 福(※2)
F-09 池袋Morning Station / 谷TOKYO CITY / 塩
F-10 雑司が谷ティータイム / 福シーサイド / 谷
F-11 西早稲田シルバーレール / 福クリストフ / 塩(※7)
F-12 東新宿
【3】風を感じて / 山
【4】春の翼 / 福
【1】きらめくホーム / 福
【2】花咲く街角 / 福
F-13 新宿三丁目夢見るハート / 福
(※2)
不思議のワルツ / 塩
(※7・8)
F-14 北参道プラット散歩2 / 福
(※9)
ぐるぐる / 谷
(※10)
F-15 明治神宮前ゆっくり行こう / 谷てんとう虫のステップ / 塩
F-16 渋谷(※11)【6】愛ステーション / 福
【5】おとぎのワルツ / 塩
(東急扱い)
車載メロディ
(※12)
【線内】rapid / 谷
【西武】2打点 / ?
【東武・東急】ブザー
【線内】未来電車 / 福
【西武】2打点 / ?
【東武・東急】ブザー


・過去に採用されていたメロディ/サイン音について
曲名作曲者使用駅備考
きらめくホーム福嶋尚哉和光市#3
同曲は元々駅自体は東武鉄道扱いの和光市に導入されたが、東武側の事情によりベルに戻っている。正直な所、かなりクセの強いベルで耳障りな事から、此方を使用していた方が良いように思うのだが…。

その後、東新宿駅の本線にもホームが設置された際、立ち位置的に「余り物」となっていたメロディを発車メロディとして用いたようで、この曲もそちらに採用された。然しながら、当時の時点で既に有楽町線の豊洲4番線で採用されており、この時点で「1駅1ホームに1曲」という法則が崩れることになった。後に豊洲4番線はメロディが変更された為、この時点で再度法則が成立する事になる。

クリストフ
(SH○-3音色)
塩塚博西早稲田#1 放送更新の際に音色の主張が激しくない物に変更された。詳しくは以下※7にて。
不思議のワルツ
(SH○-3音色)
塩塚博新宿三丁目#3
オーバーフロー塩塚博小竹向原#2
副都心線の開業当初は、小竹向原1・2で「オーバーフロー」、3・4で「駅ストレッチ」が導入されていた。然し、ツーマン列車の発車時には従来通りのブザーが用いられていた事から、当時の「駅ストレッチ」は乗務員の気まぐれでも起こらない限り扱われる事は無い、という半端な立ち位置の曲になってしまっていた。また、それ故有楽町線の発車時は1・2番線からの列車であってもブザーが流れていた事から、正直な所副都心線開業当初の発車案内は非常に分かりづらかった。

後に有楽町線でもメロディが導入されることになった際、3・4番線に新曲を追加し、1番線を「オーバーフロー」、2番線を「駅ストレッチ」にすることで落ち着いている。

駅ストレッチ福嶋尚哉小竹向原#3・4


・副都心線発車メロディ関連 よもやま話
(※1)塩塚氏単独名義なのか、それとも?
東京メトロとしても副都心線の全駅メロディ化での開業(※但し、有楽町線との供用区間は当初ブザーのまま)はかなり力を入れたのか、開業後に発車メロディの曲名と作曲者をすべて公表した。最も、少しでも駅メロをかじっている人間なら塩塚氏の曲は言われなくても氏の曲だとわかる…と、言いたいところなのだが、当初は作曲は「弟子」とされた別人物、編曲が塩塚氏とクレジットされていた。然し、CD化された後のクレジットを見ても、他の路線のメロディのクレジットを見ても、その人物の名前は何処にもないのである。ここまで来ると、実在すら怪しい様にも思えてくるが、一体何があったのだろう。


(※2)SoundFactoryとスイッチの狭間。
福嶋氏の曲も塩塚氏共々大量に採用された。然しながら、氏の曲の中にはSoundFactoryの在籍時代に作曲したものが混ざっており、City RunnerはSoundFactory時代の曲そのまま(曲名は「JPX13-20 City Runner」)。「夢見るハート」については、同じくSoundFactoryに当時在籍していた大和優子氏の「JPX5-19 二人の舞踏会」という曲の編集である。これについては、発車メロディ用に編曲したのが福嶋氏、というのが真相のようだ。
余談ながら、大和氏の曲でありながら発車メロディとしての作曲者名義が異なる曲として、JR東日本で採用されている「遊園地のある駅」が存在する。此方が同様の事情によるものなのかは不明。


(※3)CD化の際に明かされたまさかの正体
作曲家の面々の中にいる谷本貴義氏は、同姓同名の別人ではなく、アニソンシンガーの谷本貴義氏その人である。然しながら、当初は別名義で活動しようと思っていたのか、副都心線の開業当初ならびに丸ノ内線の発車メロディの導入当時は「宮島たかね」という名義でクレジットされていた。副都心線の発車メロディのCDが出た際に「谷本貴義」という全く以て予想外の名前が突如表示されて大騒ぎになったのである。


(※4)1曲だけ担当している山崎泰之氏とは?
山崎氏は南北線のメロディ導入の際に数多くの曲を制作した方であり、他線での使用は東新宿のこの1曲が唯一である。東新宿の本線にホームが増設された際、新たに設定されたホームで1曲だけ同氏の曲が採用されており、恐らくは南北線の採用から漏れていたメロディが使われたと考えるのが妥当であろう(反対側が和光市で採用されたものの使用中止になっていた「きらめくホーム」だった事もそれを感じさせる)。


(※5)和光市の発車メロディについて
和光市では当初「きらめくホーム」が採用されていたが、東武側から苦情が出た(一応、言い分としては駆け込みが増加したとのことだが…)為、ベルに戻っている(そのベルも曲になる前の物とは微妙に異なっていたりする)。


(※6)小竹向原のメロディ扱いについて
副都心線が開業した当時は、1・2番線がオーバーフロー、3・4番線が駅ストレッチとなっていたが、有楽町線の列車ではメロディを扱う事が出来ず、当時の3・4番線も有楽町線準拠のツーマン扱いだった為、殆どメロディが扱われる事は無かった。この当時、有楽町線の列車および3・4番線はブザーが流れていたが音量が小さく、特に同時発車の際等は今一つ分かりにくかった。後に有楽町線でも曲が扱えるようになった時点で、2曲追加して各番線ごとに1曲、という形に落ち着いた。


(※7)音色の変更が生じた2曲
西早稲田の「クリストフ」ならびに新宿三丁目の「不思議のワルツ」は、放送更新を受けた際に音色が変更されている。元々の音色が「JR-SH○-3」の音色だったのに対し、更新後は京急の入線メロディと同じ音色に変更されている。恐らく、元々両方の音源が用意されていたのだろう。不思議のワルツに関しては、曲調の影響もあり少々駅で聞くには喧しかった感は否めないのでそれに伴う変更とも受け取れるが、クリストフはどちらかというと静かな曲であり、音色を変更する必要は無かったように感じる。何故変更されたのかは今一つ分からない。
尚、鉄道モバイルで配信されている音源は、クリストフが更新後、不思議のワルツが更新前の物になっている。


(※8)元々はもっと遅い曲だった
塩塚氏の著書によれば、不思議のワルツは元々はこんなにせわしない曲では無かったのだが、発車メロディとしての制限時間に合わせた結果こんな感じになったのだという。元々の音源を是非聞いてみたいものである。


(※9)意味不明な曲名
北参道の和光市方面の曲は「プラット散歩2」が正しい。…全く以て意味不明である。副都心線の曲紹介のページを作ったメトロ側も戸惑ったのか「ぷらっと散歩」と表記されていた事があった。「プラット」は恐らくプラットホームの事(にしたってどうかと思う曲名だが…)なのだろうが「2」は何なのだろうか。推測するしかないのが何とも歯がゆい物である。


(※10)他と雰囲気が違ったが故に
この「ぐるぐる」という曲は本当に、聞いてみると曲名通りの雰囲気で、まるでピアノを習いに行っている人が指の動かし方の練習の為に弾くことになるシンプルな練習曲のような物となっている。アニソンシンガーでもある谷本氏ゆえの遊び心だったと思うのだが、何分線内の他の曲と雰囲気が違いすぎるので、短絡的なマニアが氏の曲にケチをつける理由にもなってしまった。これはこれで面白いと思うのだが…。


(※11)渋谷の使用状況について。
渋谷駅は開業当初は東京メトロが、東急との直通が開始されて以降は東急が管理している。開業当初は現在の3番線と6番線のみを用いており、3番線でおとぎのワルツ、4番線で愛ステーションを用いていた。東急が管理するようになってからは、東急線方面の3・4番線は向谷実によるイメージメロディを導入し、6番線(旧4番線)は愛ステーションを継続、おとぎのワルツは5番線に移動した。自動放送は東急のそれに準じているものの、東京メトロ側の発車メロディの後に続く放送だけは東京メトロの仕様になっている。
尚、稀にではあるが5番線から東横線が発車する事もあり、その際は東急側のメロディが鳴動する。


(※12)車載メロディの音程について
これらの2曲は、乗入れてくる鉄道線の車両でも例外なく鳴動する。
導入当初は配信されている音源と同様の音程の物が流れていたが、放送更新を受けた車両は型式に関わらず、音程が高くなっている(とはいっても、車両による個体差はあるかもしれないので悪しからず)。尚、この2曲は副都心線と共通の物で(車両が共通なので当然ではあるのだが)、副都心線ではそこそこ鳴動するのに対し、有楽町線ではあまり流れないようだ。



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