1989年の秋田内陸線全通と同時に設定された急行「もりよし」用の車両として製造された車両で、5両が製造されたうち4両は全面非貫通の片運転台車となり、客室からの眺望にも配慮したスタイルとなっていた他、AV機器や自動装置も設けられる等、豪華な仕様となりました。ほとんど同じ車体形状を持つ車両が他社にも在籍している為(高千穂鉄道等)、車体自体はメーカーから事業者向けに提示されたある程度の共通仕様だったのかもしれません。
JR線への乗り入れ実績などもあった働き者でしたが、経費削減のために急行運用がAN8800形に置き換えられると、以降は団体・臨時用に用いられるのみとなり、老朽化の為、2021年を以て8904までの非貫通車は引退となりました。何故かそれ以降も8901と8904が阿仁合駅構内に留置され続けています。車体が共通なAN-2000形の部品取りにでもしているのでしょうか。
一方、前面貫通型で他の4両と全く違うスタイルとなっていた8905号は使い勝手が良い為か2025年時点でも運行が続いており、2020年には観光列車を兼ねた仕様に改造され「笑-EMI-」の愛称を得ています。日によっては急行もりよしの運行に固定となる日があるようです。
上写真は8905+8803の編成、阿仁合にて。
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