10-300R形
新宿線開業当初から活躍していた10-000形のうち2段窓の車両(〜10-180F)までの代替を目的として導入した10-300形グループの1つがこの「10-300R形」。見るからに怪しい見た目の編成ですが、導入にはこのような経緯がありました。

1.新宿線の10-000形には後に増備で導入された中間車が2両挟まっていた
2.10-000形を置き換えたいがその増備分を置き換えるのが勿体ない
3.じゃあその増備分を更新して寄せ集めて先頭車だけ新しく作って別の編成を作ろう

…という形。そんなわけで「先頭だけ新しい」車両が導入されることになったわけです。勿論、こんな更新をするためには大変な手間がかかるため、導入当初は既存の10-000形の先頭車だけを置き換えて残りはそのまま、という状態がしばらく続いていました。特に、試作車の編成を代替した10-310Fは導入当時、10-300形先頭車、試作中間車、通常中間車、増備分中間車がそれぞれ2両ずつ連結されていると言うとんでもない状況になっていました。ここまで来ると逆にそんなのが走れる事に感心してしまいますね。

何だかんだで新しいのは先頭車だけで中間は古いので、2015年から10-300形の増備車で置き換えが始まり、2017年に置き換えを完了。修繕工事を受けることも一度も無く引退してしまいました。車両を繋ぎ変える等の手間を掛けてまでこの車両を作る意味はあったのでしょうか。

上写真は10-310F。笹塚にて。
簡単な年表
2004年 登場
2005/9/15 10-310Fが本編成化
2015/6 廃車が発生
2017年 引退
最終更新:2018/8/25
【編成別(本編成)】330F(1枚)を追加。
【映像】1点追加(310編成本八幡発車)。



【写真】

上述の通り、トップナンバーの10-310Fは、10-300形先頭車、試作2両、通常2両、増備分2両という4形態の車両ごちゃ混ぜの状態で導入されました。バラバラな4タイプの車両を連結してもちゃんと走れる事が不思議に感じてしまいます。

撮影場所:本八幡

〜暫定編成〜
10-310F
除籍
各停 本八幡行
新宿
各停 笹塚行き
本八幡
10-320F
除籍
各停 本八幡行
東大島
各停 笹塚行き
本八幡
各停 新宿行き
東大島
10-330F
除籍
各停 本八幡行
東大島
各停 笹塚行き
東大島
10-340F
除籍
各停 新宿行き
本八幡
10-360F
除籍
急行 橋本行き
東大島
各停 笹塚行き
本八幡



〜本編成〜
10-310F
除籍
各停 本八幡行
笹塚
回送
笹塚
各停 新宿行き
東大島
各停 新宿行き
東大島
各停 笹塚行き
本八幡
10-320F
除籍
各停 本八幡行
笹塚
各停 笹塚行き
東大島
各停 笹塚行き
東大島
10-330F
除籍
各停 本八幡行
笹塚
各停 新宿行き
東大島
各停 本八幡行
東大島
区急 本八幡行
笹塚
10-340F
除籍
各停 本八幡行
東大島
10-350F
除籍
各停 本八幡行
東大島
各停 本八幡行
岩本町
10-360F
除籍
各停 新宿行き
本八幡



〜形式別〜
10-306

10-316(笹塚)
10-307

10-317(笹塚)
10-308

10-318(笹塚)
10-309

10-319(笹塚)



〜Others〜
先頭車
車内 ドア(LED有り) ドア(LED無し) 座席袖仕切り
(先頭車)
座席 優先席
中間車
車内 ドア(LED有り) ドア(LED無し) 貫通扉 座席 優先席



〜行先表示〜(※ 先頭車の行き先表示は10-300形とファイル共通)
先頭車
各停 笹塚 快速 多摩センター 各停 新宿
中間車
各停 本八幡 各停 新宿



〜車両の音〜
・10-300R形走行音

【京王新線】笹塚〜幡ヶ谷(1分48秒:592KB)

見た目は新しい…と思いきや、先頭車はT車なので、走行音は従来の10-000形そのままです。ドアチャイムと車内自動放送が設置されているので、7次車以降の走行音と全く同じと思っていただいていいと思います。ただ、京王線内では自動放送は流れませんけど。

10-300R形ドアチャイム(開扉時)

ありがちな音です。
10-300形はJRチャイムを用いているのでこれとは異なります。

4秒(24KB)



〜映像〜

・10-300R形暫定編成東大島発車(youtube)

※古いデジカメでの撮影です。画質・音質についてはご容赦ください。※

10-300R形は、10-000形初期編成に連結されていた、後から増備した1段窓の車両(新宿側から2・3両目)を再利用して作った車両なのですが、登場したての頃はこのように暫定的に2段窓の車両も連結していました。10-000形初期編成の置き換え完了と共に、この状況は解消されています。

ちなみに、一番暫定当時の状況が強烈だったのは第1編成となる10-310Fで、新造車、10-000形の試作車、2段窓、1段窓がそれぞれ2両ずつ連結されていました。

・10-300R形310編成本八幡発車(youtube)

10-300R形といえばもう説明するまでも無い迷車両の代表格の1つですが、そのうち一番最初の編成である10-310編成は、暫定編成として登場したころは試作車2両、2段窓2両、1段窓2両を新造した先頭車で挟む、というとんでもない出で立ちで登場したことで話題に。勿論、そんな状況が長続きするわけもなく、程なく本編成に改造されました。




〜風景・並びなど〜
東大島 本八幡


東京都交通局のTopへ京王のTopへ関東地方の鉄道のTopへ鉄道データのTopへTopへ