415系
交流と直流の双方に対応した113系として製造された401・421系の発展系として1971年に導入された車両で、JR九州にも継承され、現在に至るまで多数が活躍しています。JR九州らしい更新や塗装変更は特に施されていないため、少々地味な存在でもあります。1986年以降の増備分は、当時国鉄が製造していた211系に倣った車体に変更され、もはや別の車両と言って差し支えない車両になりました。

JR九州では、元々在籍していた車両のほかにJR東日本の常磐線や水戸線で活躍していた車両が転籍して活躍しており、JRの車両が別のJRへ譲渡された、という珍しい例となっています。

後継の817系が登場して以降、徐々に廃車が進んだものの、まだそれなりの数が残っています。とはいえ、JR九州では次世代の一般型車両として821系を導入することが決まっており、恐らくこれが415系の後継になるものと思われます。今のところ、関門海峡を渡る運用には必ず415系が入っている(2019/3現在)ので、確実に見たい方は小倉辺りに行くのが良いでしょう。

上写真はFJ122編成、行橋にて。

<他社の415系のページも見てみる場合はこちらから>
JR東日本JR西日本
簡単な年表
1971年 登場
1986年 登場(1500番台)
最終更新:2021/12/28
【基本番台】FO108,FO110,FO119に1枚追加。
【1500番台】FO1501,FM1514,FM1519(1枚)、FO1521(2枚)追加。
【行先(基本)】肥前山口を追加。
【映像】FO1521小倉発車を追加。
【風景】1枚追加。



基本番台

基本となる415系は、403系に引き続き1971年に登場しました。
細かい番台分けがあるのですが、ざっくり言うとこんな感じになります。

0番台…基本
100番台…クロスシートのシートピッチを拡大したもの。
300番台…0番台の制御車が該当。番台分けされたのは、403系から制御車を編入する予定があったため。
500番台…トイレと向かい合う部分を除きロングシートになった車両。ラッシュ対策で登場。
700番台…セミクロスシート車両だが、車端部分はロングシートとなっている。

2019年3月現在、JR九州では100番台と500番台が運行されています。大分または鹿児島の所属となっており、その中には嘗てJR東日本で運行されていた編成を譲受したものも含まれています。


FJ007編成
除籍
快速 荒木行き
博多
試運転
鹿児島車両区
FJ008編成
除籍
門司港行き
小倉
早岐行き
博多
早岐行き
博多
FM009編成
除籍
福間行き
博多
FO103編成
熊本行き
上熊本
回送
熊本
FO104編成
下関行き
小倉
FJ106編成
→FO106
下関行き
小倉
門司港行き
門司港
新田原行き
小倉
FJ107編成
→FO107

大分
回送
門司港
門司港行き
小倉
FJ108編成
→FO108
回送
博多
南福岡行き
香椎
FO109編成
下関行き
小倉
FJ110編成
→FO110
門司港行き
博多
肥前山口行き
博多
FJ111編成
→FO111
回送
博多
FO112編成
佐伯行き
大分
小倉行き
大分
門司行き
下関
小倉行き
下関
下関行き
小倉
FO117編成
臼杵行き
大分
小倉行き
下関
FO118編成

大分
下関行き
小倉
小倉行き
下関
FJ119編成
→FO119
長崎行き
長崎
長崎行き
長崎
長崎行き
長崎
鳥栖行き
長崎
回送
博多
FJ120編成
→FO120
鳥栖行き
博多
回送
熊本
回送
熊本
八代行き
熊本
FJ122編成
→FO122
小倉行き
博多
中津行き
朽網
中津行き
行橋
門司港行き
行橋
快速 南福岡行
博多
FJ123編成
→FO123
荒木行き
博多
FJ124編成
→FO124
門司港行き
門司港
FO125編成
下関行き
小倉
門司行き
下関
中津行き
小倉
FJ126編成
→FO126
門司港行き
香椎
快速 直方行
小倉
直方行き
博多
小倉行き
下関
下関行き
小倉
FM507編成
(元JR東)
→FO507
門司港行き
博多
門司港行き
香椎
杵築行き
大分
日出行き
大分
大分行き
大分
小倉行き
小倉
小倉行き
下関
FK513編成
国分行き
鹿児島中央
国分行き
鹿児島中央
川内行き
鹿児島中央
FK514編成
鹿児島中央行
鹿児島中央
鹿児島中央行
鹿児島
鹿児島中央行
鹿児島車両区
国分行き
鹿児島中央
FK515編成

鹿児島中央

鹿児島中央
鹿児島中央行
鹿児島中央
国分行き
鹿児島中央
鹿児島中央行
鹿児島中央
FK517編成
川内行き
鹿児島中央
川内行き
鹿児島中央
鹿児島中央行
鹿児島中央

鹿児島中央
川内行き
川内
FM520編成
(元JR東)
→FO520
→FK520
福間行き
博多
福間行き
博多
下関行き
行橋


1500番台

1986年から増備された415系は、当時製造されていた211系を基にしたステンレス車体に変更。ただ、電装品などは従来の車両とそろえており、連結も可能。それ故常磐線では連結も日常的に行われたほか、鋼製車の編成の中に2〜3両だけ1500番台の中間車が入っている、といった珍事も少なからずありました(もちろんその逆も然り)。九州ではそのような珍事は生じていないようです。

一応、関門海峡越えの運用にも入るようですが、基本番台と比べるとその頻度は低いようです。

FJ1501編成
→FM1501
→FO1501
南福岡行き
博多
下関行き
小倉
下関行き
小倉
下関行き
小倉
南福岡行き
香椎
FJ1509編成
→FM1509
下関行き
小倉
早岐行き
博多
長崎行き
長崎
門司港行き
行橋
湯江行き
長崎
長崎行き
長崎
鳥栖行き
小倉
FM1510編成
鳥栖行き
小倉
FM1511編成
長崎行き
長崎
FM1512編成
回送
博多
回送
博多
FM1513編成
博多行き
博多
回送
博多
FM1514編成
門司港行き
香椎
FM1516編成
門司港行き
小倉
快速 南福岡行
博多
FM1517編成
門司港行き
門司港
長崎行き
長崎
FM1519編成
回送
博多
早岐行き
博多
FM1520編成
回送
博多
FM1521編成
→FO1521
下関行き
小倉
回送
博多
下関行き
小倉
下関行き
小倉


〜形式別〜
クハ411
100番台
107(門司港)

100番台
119(長崎)

200番台
207(門司港)

200番台
219(長崎)

300番台
333(鹿児島基地)

500番台
507(大分)

500番台
514(鹿児島中央)

600番台
607(大分)

600番台
614(鹿児島中央)

1500番台
1509(博多)

1500番台
1609(博多)
モハ414
100番台
107(門司港)

100番台
119(長崎)

500番台
507(大分)

500番台
514(鹿児島中央)

1500番台
1509(博多)
モハ415
100番台
107(門司港)

100番台
119(長崎)

500番台
507(大分)

500番台
514(鹿児島中央)

1500番台
1509(博多)


〜ドア〜
基本番台
タイプA
【窓枠】黒H
【戸当たり】黒H
タイプB
【窓枠】金具1
【戸当たり】黒H
(元JR東日本)
タイプC
【窓枠】金具2
【戸当たり】黒H
(元JR東日本)
タイプB・C
(外側)
1500番台
タイプA
基本
タイプB
窓枠補強後


〜Others(車内関連)〜
基本番台 車内1
ロングシート車ロングシート貫通扉座席袖仕切り
車内2
ロングシート車ロングシート貫通扉吊り革 ボックスシート車ボックスシート


〜Others(その他)〜
基本番台
台車転落防止幌標識灯
1500番台
標識灯


〜行先表示〜
基本番台
福間門司港熊本回送国分川内
鹿児島中央 早  岐  博多〜久留米間
快速 荒木
長崎亀川
佐伯 杵  築  小倉大分日出
新田原中津幕撤去跡肥前山口
1500番台
下関門司港肥前山口 回送柳ヶ浦新田原
苅田熊本快速 南福岡湯江長崎小長井
鳥栖


〜車両の音〜
・415系基本番台走行音

【鹿児島本線】鹿児島中央→広木(4分54秒:1.55MB)

ごく普通の抵抗制御で、113/115系などと同じ音です。1500番台も新しい見た目をしていながら走行音はこれと同じなので時々戸惑う事があります…。ドアエンジンが変更されている(下記映像「ドア開閉パターン1」)編成で収録したのでドアエンジンの音が1500番台のような音になっていますが、これは紛れもなく基本番台の走行音です。

個人的には、とても丁寧な車掌放送が印象的でした。



〜映像〜
415系ドア開閉パターン1(youtube)

415系のうち、鹿児島地区でたまたま乗車した編成は、どうやら201系や205系などと類似したドアエンジンを搭載している車両がいるようです。JR九州の車両としては103系1500番台や713系がこのドアエンジンだったかと思うのですが、415系にもいたのは意外でした。
415系(元JR東日本)ドア開閉(youtube)

JR東日本の常磐線で活躍していた415系が九州に転属。座席や塗装こそ変わったものの当時の雰囲気を残してくれています。何よりこの窓枠を持っている415 系は元JR東の車両しかいませんし、この扉の動きをする415系も4日間九州に滞在していた限り他に見かけなかったので、九州ではレアな存在のようです。ちなみにドアチャイムはありません。 それにしても、懐かしかった。
415系(FJ8編成+FM1509編成)博多発車(youtube)

JR九州のデザイン性豊かな車両たちの中でなんだか安心する存在の415系。でも窓が固定窓に改造されていたり内装、特に座席にデザイン性が垣間見えたりしている辺りはや-っぱりJR九州なんだなー、って思います。
415系(FM1512編成+FM?編成)博多発車(youtube)

博多駅において、やってくると個人的にホっとする存在の415系1500番台。見慣れた形だからでしょうか。堂々の8両編成で博多を出発です。 車内もイスの色などは独自性を貫いているものの、基本的に思い描くこの形の車両の車内そのままだったりします。
415系(FJ120編成+?編成)博多発車(youtube)

九州の415系。ついに後継の817系3000番台が登場したので、早く記録したほうがいいのかなぁ...と思っていたのですが、はっきり言って九州だとどこにでもいる車両故、博多で見るのにこだわらなくていいのならまだのんびりできるのかもしれません。 千葉県民としては、常磐線から移籍した車両の長い活躍を特に祈るばかり。
415系(FK513編成)鹿児島中央発車(youtube)

老朽化も進み徐々に肩身の狭くなってきている415系ですが、鹿児島地区ではまだそれなりの数が活躍を続けています。いつまで走ってくれるかが気になるところですね。
415系(FO1521編成)小倉発車(youtube)

抵抗制御でこそありますが、扉の改造等を施されている415系1500番台。811系に続いて、VVVF&水戸岡デザイン化等の大更新が施されたりしたら面白いなぁ、なんて思ったりもします。 2021/11現在、関門海峡を渡る運用は415系の独壇場。いつになったら新車が入るのでしょうか。


〜風景・並び〜
鹿児島中央長崎長崎門司港行橋大分
鹿児島中央鹿児島中央鹿児島車両区博多下関長崎
小倉博多


〜その他〜
博多

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