Sound Factory (JR東日本)

SoundFactoryは、元々著作権フリー音源「SOUND STAFF」シリーズを数多く手がけていた。要するに、今でいう所のスタジオコムのメロディの様な立ち位置の曲をたくさん作っていた事業者である。これらのメロディは勿論、全てを無料で使うことが出来るわけではなく有料で権利を購入してその後の使用はご自由に、というタイプの物である。なので「YouTubeで勝手に自分が持っているSOUND STAFFの音声をUPする」のはアウトなのでお間違いなく(そんなことする人もそうそういないとは思うが…)。

鉄道会社に限らず、テレビ番組のジングル等としても非常に広く用いられており、会社の名前は知らなくても曲を聞いたことがある人自体は非常に多い物と思われる…のだが、2011年に事実上の廃業となり、今後新たに曲の権利を購入するというのは難しい物と思われる。尚、現在スイッチと契約している大和優子と福嶋尚哉は元々Sound Factoryと契約していた音楽家で、鉄道音源を作るにあたりスイッチと契約したようである。両氏のスイッチ扱いの曲の中には、SoundFactory時代の物を編集したものも存在している。

このページの最終更新日:2022/ 品川3番線の変更を反映

※駅メロディのページ全てに載せている諸注意。
【1】情報の信憑性については、それぞれのページの最終更新日で判断してください。
【2】この纏めを参照して収録しに行ってみて違うものが流れていた場合でも一切の責任は負いかねます。
【3】全ての駅の使用状況を網羅できている訳ではありません。特に、過去の接近メロディに関しては全てを把握するのはどれだけ調べてもまず不可能です。ご了承ください。
【4】この纏めにおいては以下の曲名は用いていません(正式な曲名と勘違いされるのを防ぐ為)。
・「近郊地域○○番」「音色Aa」等の「発車ベル使用状況」で使われている整理番号。
・「東上A」「はいいち」等の趣味人の間での俗称。
その為、「曲名不明 ○○」となっているものが多数存在します。多少見づらいとは思いますがご了承下さい。



【1】発車メロディ

曲名作曲者番号タイプ使用駅 備考
JPX2-25
遊園地のある駅
大和優子-- 【山手線】大崎
【常磐線】日暮里
【東海道線】品川
いきなりA〜Z&50音順を無視した配置になるが、それには理由がある。

・「遊園地のある駅」について
この曲の原曲(JPX2-25)には「Fantasy Waltz」という曲名が付いており、その曲をジングルサイズに編集し直したもの。元々こういう曲だったと言われても違和感のない仕上がりになっている印象で、分布こそ少ない(品川は臨時ホームでの使用なので実質大崎のみ)がもっと増えても良いような曲に思える。

・「教会の見える駅」について
元々は大崎の放送装置更新によって導入された曲で、原曲はこの倍程度の長さのジングル。発車メロディとして聞き慣れてしまった現在では、かえって原曲に違和感を感じたりもする。
遊園地のある駅同様、発車メロディとしての曲名は恐らく後付け。非常に華やかな雰囲気の良曲で、後に「清流」「雲を友として」の著作権対策用の代替として抜粋され、首都圏に大量に広まった。広まった当時は駅によっては放送の音質が悪く独自のタイプを聞くことも出来たのだが、現在は全て放送更新済み。

さて、なぜこの2曲を一纏めにしたかというと、作曲者が大和優子なのか松元祐美なのかがはっきりしない状態が続いているのである。個人的な見解を申し上げるならば、両曲とも大和氏の作曲で堅い筈なのだが、当初は「遊園地のある駅」の作曲者が松元氏の名義、「教会の見える駅」が大和氏の名義でクレジットされていた。その後、鉄道モバイルでは両方松元氏の表記で公開したのを経て、現在は「遊園地のある駅」が大和氏の曲としてクレジットされている。

どうして個人的な見解では両曲とも大和氏で確定なのかと言えば、以前大和氏の公式サイトで、氏が作曲した教会&遊園地の2曲の権利は現在はJRに…といった旨の記述があった為(在では著作権フリーの音源を公開するサイトが出来ました、という事が記述されているページにその記述があったのを記憶している)。現在ではどういう訳か、その記述どころかサイトの制作物一覧から教会の見える駅の表記が消えており、この事がスイッチが言っている松元氏名義である根拠を加速させてしまっている感がある。

その為、個人的な結論としては「遊園地」は原曲も編曲も大和氏(一時期松元氏とクレジットされていたのは誤記)、「教会」は原曲大和氏、編曲松元氏なのではないか、と考えた。その理由として、東京メトロの「夢見るハート」という曲(これも大和氏の曲が原曲となっている)の作曲者名義は福嶋尚哉となっている事が挙げられる。このパターンならば合点が行く。

とはいえ、制作物一覧から消さなくても良いのではないかとも思うのだが、なんだかなぁ…。スイッチが絡むとどうしてこうも話がややこしくなるのだろう。
SF10-32
教会の見える駅
大和優子
(駅メロサイズへの
編集は松元祐美?)
01標準 【山手線】大崎
【京浜東北線】
神田 御徒町 鶯谷 日暮里 西日暮里 田端 川口
【中央・総武線】
西荻窪 阿佐ヶ谷 高円寺 東中野
大久保 四ツ谷 市ヶ谷 飯田橋
水道橋 秋葉原
【常磐線】三河島 柏 天王台
【武蔵野線】南流山
02 音程高い 【中央・総武緩行線】
西荻窪 阿佐ヶ谷 高円寺
【京浜東北線】
神田 秋葉原 西日暮里
【常磐線】三河島
SF10-12
For Tomorrow
不明-- 【飯田線】辰野 原曲の冒頭を切り取った物。原曲はこの冒頭部分からは想像もつかない非常に激しい曲で、そのギャップに驚かされる。
辰野で使用されているものの、発車メロディというより発車放送冒頭のチャイムのような使われ方をしている為、あまり発車ベルらしさは無い。曲そのものも短いので他の駅の採用もあまり望めないように思える。
SF10-29
海の駅
青松英二01標準 【山手線】品川 大崎 採譜がかなり大変な一曲。原曲もこの倍程度の長さの短い物で、元々ジングルとして作られた曲なのであろう。元々「軽井沢駅で一般の接近放送と別に流れる補助放送の冒頭に流れるかっこいい曲」として知られていたものがある日突然首都圏のど真ん中の発車メロディとして使われるようになり大騒ぎになった。品川と大崎のみ、という少数派ではあるが、JR東日本の発車メロディの中でも有数のスタイリッシュさを誇っているように思える。個人的にはもっと増えて欲しい。
尚、音程が高いタイプは導入当時の放送装置が古かった事に起因するもので、音源は同じ。

後に品川駅の山手線外回りが配線変更によって2番線→3番線に変更された際、3番線のメロディにこの曲は引き継がれなかった。2番線をまだ使う可能性があるから…という訳でもない様で(ホームドアが撤去されている模様)、単純に作曲者が福嶋氏でも大和氏でもなかった為、すでに権利的に引き継げなかったのかもしれない。勿体無い話である。
02 音程高い 【山手線】品川
SF10-31松元祐美01標準 【常磐線】 松戸 日暮里 ある時、新小岩駅で聞いた事のない曲が試験的に使われている、と話題になったことがあった。結局ろくに実録も上がらぬまますぐに元の曲に戻った為、何だったのかと思われていた所それからしばらくして常磐線で使われるようになり、サウンドファクトリーの曲だった事が判明する。

新小岩での使用については謎が多く、釣りだったのではと言われる事もあるが、その情報を上げた人物は当時の界隈の大御所的な人物で、偽情報を流すとも考えにくい。また、仮に偽情報として音声を用意するにしても、当時この曲の原曲を個人が手に入れるのがそもそも難しかったと思われる為、本当に一瞬だけ試験的に使われたと考えるのが妥当であろう(北千住1番線で一瞬だけカンノ製作所の曲が使われていたのと似たような例なのだろうか)。

後に、常磐線は車載メロディに統一されたため、現在はすぐにフェードアウトしてしまう物足りないアレンジが辰野で流れるのみ。またどこかで採用されないものだろうか…。
02 音程高い
フェードアウト
【飯田線】辰野
03 原曲そのまま 【中央・総武緩行線】新小岩
【総武本線】新小岩
SF10-38松井朋己-- 【常磐線】取手
【山手線】大崎
SF製のメロディの中ではシンプルな方(私感)の曲で、原曲を半分くらいに縮めた編集がなされている。当初は大崎駅の始発ホームのみでの使用だった為聞くのは難しかったが、後に取手の快速線上りホームで使用されるようになり、効くことが容易くなった。

作曲者は他の曲では聞いた事が無いが、作曲者不明の曲の中にもしかしたら担当しているものがあるのかもしれない。
SF10-43不明-- 【横須賀線】武蔵小杉
【常磐線】柏
短いメロディで、原曲は一応この倍くらいの長さとなっているが、そのままでも発車ベルになりそうなもののように思えるのだが…。尚、音源は3回で1周するようで、3コーラス流れた後だけ余韻がやや長いようだ。とはいえ、それは3回流れないとフルコーラス、という訳ではないので無理して粘らないように…といっても曲が短く使用駅の規模も大きいので粘らなくても3回くらいは軽く流れてしまうかもしれないが。

後に柏はご当地されたものの、このご当地は一応期間限定だったようで、2022年に元に戻っている。
SF10-60
チャイム
福嶋尚哉01標準 【京浜東北線】品川
【東海道線】品川
【横浜線】淵野辺 橋本
曲名通りシンプルな一曲。発車メロディ化に際し、原曲の前半部分を3回繰り返した編集がなされている。何故か横浜線の淵野辺と橋本で一時期使用されていたが、すぐに元の曲に戻っている。いったい何があったのだろうか…?
現在は品川のみでの使用となっているが、駅の規模の割に曲が短いのでフルを聞くのは簡単で、2コーラスも容易い。音程が高いバージョンは導入当時放送装置が古かった事に起因するもので、音源は同じ。
02 音程高い 【京浜東北線】品川
SF10-68不明-- 【常磐線】松戸
【東海道線】品川
1つ下のSF22-14の陰に隠れがちだがかなりテンションの高い一曲。SF22-14と同じタイミングで松戸に導入されたが、後に品川で主に常磐線特急が発着するホームにも導入された。

発車メロディ化にあたり、4秒程度の前奏(?)をカットし、その後の部分を2回繰り返す編集が為されている。
SF22-14不明-- 【常磐線】松戸
【武蔵野線】南流山
薄ら暗い雰囲気の曲で占められていた松戸に入った一曲で、それまでと真逆の底抜けに明るい雰囲気になった。同曲の別編集が通販番組で流れていたのが有名(そちらの切り取り編集は曲としては違和感があるが…)で、界隈では「松戸テレフォンショッピング」等と呼ばれていた。まぁ、気持ちは分からなくもないのだが、それを正式名称であるかのように公開している動画も散見される。勘弁してくれ…。

現在はそんな松戸での使用は終了となり、南流山のみで流れる地味な存在になってしまった。もっと目立つどこかに採用されないものだろうか。
SF22-29不明01原曲 【常磐線】 2種の独自の接近メロディと共に突如金町に採用されて話題になったこの曲。SoundFactoryのメロディを導入する試験的な意味合いが合ったものと思われるが、接近はともかく発車は原曲ではなくアレンジしたものを採用したのが興味深い。後に原曲そのままの物も柏に採用されているが、金町のアレンジ版は柏の倍ほどの長さがあった為、この2曲を入れ替えて貰えない物かと思ったものである。
また、2番線で採用された物(曲名不明 01)に関してはSoundFactoryに当該の音源が見当たらず(SF34-10、という情報が流れた事もあるが当該を聞いた事がない)、一般的には曲名不明とされている。

常磐緩行線の車載メロディへの統一によりこれらの曲も過去のものとなってしまったが、音源が鉄道モバイルより配信されている。…とはいっても、少なくとも曲名不明 01に関しては元々の音源が無かったのか再現したもののようで、SF22-29の編曲版も判断に困る微妙な聞こえ方をしている。同サイトには「高音質着メロ」と題した、音源と再現が混在しているややこしいページも存在しているのだが、こちらは「音源」として配信されたものである。しっかりして欲しい。
02 アレンジ 【常磐線】金町
曲名不明 01不明-- 【常磐線】金町




【2】接近メロディ

※接近メロディについての諸注意
接近メロディの分布に関しては、ATOS放送が導入されている駅で偶々それが解除された場合に自放音源として残っているのが確認された、というパターンの駅は使用終了と同様の表記として掲載しています。

曲名作曲者番号タイプ使用駅備考
SF10-29
海の駅
青松英二-フェードアウト 【北陸新幹線】軽井沢 元々「海の駅」は軽井沢で接近放送の冒頭に流れるチャイムとして導入された。といっても、軽井沢だけが新幹線の中で異端な放送を使っていたという訳ではなく、軽井沢は接近放送後から列車到着まで流れる補助放送が別途導入されており、そちらの冒頭に流れていた形となっている(恐らく、軽井沢駅は見通しが悪い(山の中ですぐ霧も出るので…)上に接近放送の鳴動から到着まで少々時間があるように思えるので、それ故だろうか)。

発車メロディとして採用される前は「海の駅」という名称は付いていなかったので、恐らくこの駅名は後にスイッチ扱いになった時に付けたのであろう。発車メロディの物と異なり、余韻でフェードアウトする。
SF10-37不明-- 【常磐線】金町 ある日突然、それまでと全く異なる放送が導入された金町駅。SoundFactoryのメロディの試験導入的な意味合いがあったものと思われる。発車メロディもそれまでのJRには無い雰囲気の物で独特ではあったが、接近メロディが導入されたのが大きな特徴だった。曲の最後に何故か放送が被っていたので、曲だけを綺麗に収録する事は出来なかった。

その後、何故か八高線の明覚にSF22-43が導入され、放送更新後に若干短縮編集もされるなど面白い特徴がみられたのだが、現在は放送のみに変更されてしまった。八高線の他駅に同様の放送が波及した訳でもなく、何故明覚にこの様な放送が入ったのかは全くの謎である。

尚、SF10-37は北神急行の発車メロディとして使われていた(現在は未使用)他、SF22-43については原曲を若干早回しにしたものが愛知環状鉄道の岡崎駅の接近メロディとして用いられている。
SF22-43不明01標準 【常磐線】金町
【八高線】明覚
02短縮版 【八高線】明覚





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