1962年に登場した6000系「くたに」は、北陸鉄道初のカルダン駆動車で、山中温泉への観光輸送を担う加南線系統の既存車両の代替を目的として導入されました。この時、名鉄7000系を登場させた日本車輌名古屋本店工場が製造したため、デザインも当時としては非常に斬新な物となりました。この6000系「くたに」の増備型として登場したのが、6010系「しらさぎ」です。
1963年に登場した「しらさぎ」は、日本の高速電車では2番目(1番目は山陽電鉄の2000系)となるアルミ合金製の軽量車体が用いられるなど、さらに斬新な存在となりました。当時の北陸鉄道の山中温泉への観光輸送への本気度がうかがえます。
1971年に加南線が廃止されると、「しらさぎ」「くたに」は両編成とも大井川鉄道へ譲渡されて2001年まで使用されました(「くたに」は1996年まで)。廃車後、「くたに」は解体されたものの、「しらさぎ」はアルミ車体が幸いし車体の腐食もほぼ無かったことから、2005年に山中温泉に里帰り。山中温泉の道の駅「山中温泉ゆけむり健康村」の一角に保存され、土休日にを中心に車内も公開されています。
多数の路線を運営していた時代の北陸鉄道を象徴する車両であった「しらさぎ」、是非一度会いに行ってみてはいかがでしょうか。
上写真は山中温泉ゆけむり健康村にて。
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