成田空港第2ターミナルシャトルシステム
日本の玄関口、成田空港。ここの第2ターミナルのメインビルとサテライトビルを結ぶ目的で1992年の第2ターミナル開業当初から新交通システムが導入されていました。それぞれの車両に車輪は存在せず、圧縮空気によって0.1mmだけ浮上して進む空気浮上方式がとられており、空港内のみの交通機関という事もあり立ち位置的にも中途半端で、新交通システムとする向き、エレベーターのようなものだとする向きがそれぞれありましたが、いずれにせよ鉄道法に規定された路線ではありませんでした。2013年にメインビルとサテライトビルの間に動く歩道が設置されたことにより、そちらに置き換えられて廃止されてしまいました。



最終更新:2021/6/8 ページの作成



…で、その車両のうち2両が成田空港近くの「風の駅 風和里(ふわり)しばやま」に保存されています。「風の駅」と言ってはいますが要するに道の駅の一種です。
床下機器が無く車体を置いてあるだけなのでちょっと現役当時の姿と比べるとのっぺりしている感があります。
車両は2両が保存されており、2号車と3号車となります。画像は2号車。正式には「NTIA-S-02」という番号が設けられています。
シャトルシステムは出国ゲートよりも先にある事から、国際線の飛行機を使った上にたまたま第2ターミナルを使わない限り乗れない、ある種の高嶺の花でした。そんな車両が保存されて車内も公開されている。こんなありがたいことはありません。
用途が用途なので座席は申し訳程度に収納座席が設置されているだけ。
扉は外釣り式のものが設置されています。いかにも90年代初期の鉄道車両の扉といった趣。
収納座席しか設置されていないので必ずしも必要ではなかったとは思いつつも、車いすスペースも用意されていました。ただ、位置が位置なので狭そう。後付けなのかもしれませんね。
こちらが上記の車両の反対側に設置されている3号車「NTIA-S-03」。仕様は全く同一です。
引退当時のヘッドマーク(…と言っていいのかわかりませんが)が張り付けられたまま保存されています。
…というわけで、成田空港のシャトルシステムでした。現役当時、指をくわえて見ているだけだった方は自分のほかにもいるのではないでしょうか。成田空港へ離発着する飛行機を間近に眺められる場所で余生を過ごしているこれらの車両はなんだか幸せそうに見えます。航空科学博物館から徒歩圏内ですので、成田を訪問の際には訪れてみてはいかがでしょうか。

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