(撮影地:南郷)
キハ125系 特急「海幸山幸」

日南方面への観光を目的として2009年10月に登場した観光特急で、宮崎〜南郷間での運行。内外装ともに木材が多いのが特徴ですが、これは沿線の飫肥産の「飫肥杉」を用いています。運転される日はまちまちであるため、事前に調べておく必要があります。また、指定席は埋まらない日が存在しないというレベルであるため、確実に座りたい場合は早めの予約が必要です。

この車両、キハ125とされていますがもともとは高千穂鉄道で運行されていたTR400形という観光トロッコでした。同社が経営不振のところ再起をかけて導入した車両で「トロッコ神楽号」の愛称で活躍。人気があったものの、台風によって高千穂鉄道が再起不能のダメージを受け、廃止されてしまいました。そして、行き場に困っていたこのTR400形をJR九州が引き取り、キハ125に編入した上で観光特急に改造して使用しています。今こんなにも注目されている存在になっているという事、高千穂鉄道にいた方々もきっと喜んでるんじゃないかな。

改造にあたっては、JR九州ではおなじみのデザイナー水戸岡鋭治と、九州新幹線の車内および発車メロディの制作に携わった向谷実がタッグを組み、素敵な内外装と素晴らしい車内BGMが合わさった、それはそれは素晴らしい列車になりました。日南線の沿線で景色のいい場所では列車が停止し、車内BGMが流れ、客室乗務員の方から説明が入ります。

このほか、車内では沿線の名物、海幸山幸のグッズ販売、列車名の由来になった「海幸彦・山幸彦」の伝説の紙芝居など、いろいろなことが行われています。また、途中の飫肥駅では地元の方が特産品の販売や記念撮影を行ってくれます。また、南郷では宮崎へ戻る海幸山幸の発車までに周辺の名所を巡ることができるバスも運行されています。

鉄道に興味があるか無いかに関わらず、これに乗っていること自体が旅行の一部になることは間違いありません。人の温かさにも触れることができる素敵な列車。是非一度。一生ものの思い出を作りに、宮崎へ行きませんか。

簡単な年表
2003年 高千穂鉄道にて観光トロッコ「トロッコ神楽号」として登場
2005年9月 高千穂鉄道が運転休止(台風による施設損害によるもの)
2008年12月 高千穂鉄道廃止。JR九州へと渡る。
2009年10月 特急「海幸山幸」として再登場。
最終更新:2011/12/4 ページの作成



〜外観〜
南宮崎飫肥飫肥 南郷南郷南郷
宮崎宮崎宮崎


〜Others〜
海幸
車内座席のれん
山幸
車内座席のれん
共通
ドア(右開き)運転台


〜その他いろいろ〜
特に何の説明をするでもなく、車内にバナナが。何かと思って説明を見てみたところ、日南線沿線に勝手に生えていることが多いようで、これも駅に生えていたものを収穫したんだとか。ちなみにあんまりおいしくないそうです。やっぱり栽培品とは少し違う種類なのかなぁ…。

まぁ、食べられるかどうかはともかく、そういうものも紹介しているってなんだかいいですね。

で、バナナの隣には木のおもちゃが。これってもしかして、車体の側面と同じ飫肥の木材を使ってたりするのかなぁ。だとしたら沿線ならではというわけですね。いいなぁ。

何だろうこれ?と思ったのですがこれは記念撮影用のパネル。制帽も用意されています。同様のものが指宿のたまて箱にもあるのを確認済み。はやとの風とゆふいんの森はわかりません。

水戸岡鋭治クオリティの車両ではおなじみの存在、棚。車内販売の準備室的な存在となっていますが、上の方には木のおもちゃが展示されていたりします。海幸山幸グッズ、たくさん買わせていただきました。宝物です。

座席の横には温かな照明とイラスト。絵のタッチからするにこれも水戸岡さんが仕掛け人ですかな。照明にもこっそり海幸山幸って書いてあるあたり芸が細かい。



〜ロゴ〜


〜行先表示〜
サボ
ワンマン
宮崎⇔南郷


〜映像〜
特急「海幸山幸」宮崎発車(youtube)

1日の素敵な旅を終えて宮崎に帰ってきた海幸山幸が車庫へと戻るところを録画。九州に旅行に行ったら、走っていないと思っていたこの列車が走っていて、急遽日南方面への旅行に予定を変更したのでした。おかげで、一生忘れられないくらいの素敵な思い出が出来ました。いろいろな思い出が詰まったこの列車。出発時のミュージックホーンにも、なんだか胸が熱くなるものがあります。

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