103系
1963年に登場。1984年までに実に3400両以上が製造された国鉄のベストセラー。101系を経済的に改良した形式で、見た目も簡素なスタイルとしたことからコスト的にも安く、当時はとても経済的な車両とされていました。導入された範囲も非常に広く、JR各社では四国と北海道以外の全ての事業者で導入されています。

JR西日本では、103系に対し40N、N40、30Nという3つの大変紛らわしい名前を持つ更新工事を103系を中心とした国鉄型車両へとに対して施行しており、大阪近郊のアーバンネットワーク管内でも近年まで第一線で運行されていましたが、2023年のダイヤ改正によって、播但線と加古川線の車両以外は全て運用を離脱し、ついに先が見えた状態となってしまいました。

上写真は天王寺にて。
簡単な年表
1963年 登場
1984年 製造終了
最終更新:2023/7/17
【3500番台】BH2(2枚)、BH5(4枚)を追加。
【形式】クモハ102-3505、クモハ103-3505を追加。
【Others】標識灯(40N)以降5枚追加。
【ラッピング】3500番台2枚目を追加。
【行先】福崎、寺前を追加。
【風景】1枚追加。



JR西日本において「体質改善40N」という更新工事が施行された103系が存在します。これは車体および車内を大改造、40年使える車両として更新を行ったものです。見た目では前面窓が1枚になり、側面の窓が取りかえられ、雨どいが目立たなくなったのが相違点。低運も高運も在籍しています。車内は207系をベースとしたものに変更され、扉も交換されました。

なお、紛らわしい名称の別の体質改善として「N40」というものがあります。こちらは見た目は別に従来とほとんど変わらないものの、窓サッシが黒くなっているのが判別点。

撮影場所:西九条
しかり40Nはあまりにも費用がかかるためこの「体質改善30N」も登場しました。こちらは前面の窓こそいじってあるものの、側面はそのまま。雨樋も側窓もドアもいじられていません。それ以外は車内もちゃんと更新してあります。見た目で通常のものといまいち差がつかないのが難しいところ。

撮影場所:西九条
割と旧式の車両の多い広島支社。その広島支社がJR東日本の武蔵野線で運用されていた103系を1本譲り受け改造。予備的な車両として運用につかせました。この車両は広島地区唯一の高運103系として貴重な存在となりましたが、現在は引退してしまっています。

撮影場所:広島



〜番台および編成別〜
0番台

103系の基本となる車両。0番台にもATC対応、未対応の違い、運転台の構造の違い、車内の構造の違い…等、非常に様々なバリエーションが存在しているので、見た目が似ているようで実はかなり多種多様な車両となっています。車内の構造に至っては、壁、椅子、貫通扉、側扉の組み合わせだけでも一体何通りあるのかわかったもんじゃありません。これは他の番台にも言える事ですけれども…。

JR西日本では、延命工事として「40N」「N40」「30N」という3通りの更新車(また随分と分かりにくい名前だ…)が存在していますが、1編成内がこれらの更新車で揃えられる事は稀、という複雑な状況です。

最終的には2023年に奈良線、大和路線系統および和田岬線の運行を終了。引退しています。


大阪環状線(桜島線)

モリ1編成
離脱
大阪環状線
弁天町
モリ6編成
離脱
大阪環状線
新今宮
モリ7編成
離脱
大阪環状線
新今宮
モリ8編成
離脱
大阪環状線
新今宮
モリ30編成
離脱
桜島行き
西九条
KM3編成
離脱
大阪環状線
京橋
KM4編成
離脱
大阪環状線
大正
森ノ宮行き
大正
KM6編成
離脱
桜島行き
西九条
大阪環状線
大正
KM7編成
離脱
森ノ宮行き
西九条
森ノ宮行き
西九条
大阪環状線
大正
KM8編成
離脱
大阪環状線
大正
KM10編成
離脱
大阪環状線
大正
KM11編成
離脱
大阪環状線
大正
大阪環状線
京橋
大阪環状線
大正
大阪環状線
大阪
LA1編成
離脱
大阪環状線
大阪
大阪環状線
西九条
LA2編成
離脱
大阪環状線
京橋
大阪環状線
大阪
大阪環状線
大阪
大阪環状線
大阪
LA4編成
離脱
天王寺行き
大阪
大阪環状線
大阪
天王寺行き
大阪
天王寺行き
大阪
SA1編成
離脱
大阪環状線
大阪

大和路線(おおさか東線・大阪環状線)・奈良線

NS401編成
離脱
宇治行き
京都
宇治行き
京都
NS403編成
離脱
奈良行き
京都
NS406編成
離脱
区快 環状線
大正
大阪環状線
大正
NS407編成
離脱
城陽行き
京都
NS408編成
離脱
区快 環状線
大正
大阪環状線
大正
NS412編成
離脱
城陽行き
京都
奈良行き
京都
NS416編成
離脱
大阪環状線
弁天町
編成不明
離脱
JR難波行き
久宝寺
宇治行き
京都
城陽行き
京都
京都行き
稲荷前

阪和線(東羽衣支線)

HJ401編成
離脱
和歌山行き
天王寺
J402編成
離脱
日根野行き
天王寺
HJ403編成
離脱
日根野行き
天王寺
HJ405編成
離脱
天王寺行き
和歌山
天王寺行き
和歌山
HJ406編成
離脱
和歌山行き
天王寺
HK604改編成
離脱
日根野行き
天王寺
HK607編成
離脱
日根野行き
天王寺
日根野行き
天王寺
日根野行き
天王寺
HK610編成
離脱
日根野行き
天王寺
日根野行き
天王寺
HL101編成
離脱
羽衣線
東羽衣
羽衣線
NS617編成
離脱
天王寺行き
和歌山
編成不明
離脱
日根野行き
天王寺

山陽本線(岡山地区:赤穂線含)運用離脱

H12編成
離脱
回送
岡山
三原行き
岡山
H13編成
離脱
播州赤穂行き
尾道〜東尾道

山陽本線(広島地区:呉線・赤穂線含)運用離脱

広B-03編成
離脱
西広島-新井口 海田市 海田市
広B-12編成
離脱
広島
広D-02編成
離脱
広島 広島 広島 広島
広D-03編成
離脱
広島 広島 広島
広E-04編成
離脱
広島
広E-07編成
離脱
宮島口


3500番台

3500番台はJR東とJR西に存在していますが、両車の関係は全くありません。JR東の3500番台は既に引退済み。
JR西の3500番台は播但線の電化開業のために改造された区分で、JR西日本の103系更新の「40N」を行い、且つワンマン運転ができて2連で走れる区分として1997年から改造が施され、3500番台となりました。現在は播但線の主力車両として運行されています。いつまで残ってくれるやら。


播但線

BH1編成
ワンマン 姫路行き
姫路
姫路行き
姫路
快速 姫路行き
姫路
ワンマン 福崎行き
姫路
ワンマン 快速 福崎
姫路
福崎行き
姫路
快速 福崎行き
姫路
ワンマン 香呂行き
姫路
ワンマン 快速 香呂
姫路
香呂行き
姫路
快速 香呂行き
姫路
回送
姫路
BH2編成
ワンマン 姫路行き
姫路
ワンマン 寺前行き
姫路
BH5編成
寺前行き
姫路
ワンマン 姫路行き
姫路
ワンマン 姫路行き
姫路
ワンマン 福崎行き
姫路
ワンマン 福崎行き
姫路
BH6編成
回送
銀の馬車道
姫路
寺前行き
銀の馬車道
姫路
BH7編成
ワンマン 寺前行き
銀の馬車道
姫路
BH8編成
ワンマン 寺前行き
姫路


3550番台

103系らしからぬ顔ですが、側面を見ると40Nの103系なのがお分かりいただけるのではないでしょうか。こちらは2004年に加古川線が電化開業することになり登場したもの。3500番台に改造されていなかった40Nの車両から改造されました。そのため、もう先頭車が余っておらず、中間車を改造したためこの見た目となったわけです。また、トイレが設置されるなど、中間車を改造したということ以外の違いも割と出ています。特別装飾も行われていますが、中にはかなり衝撃的なものも…。


加古川線

M1編成
ワンマン 西脇市行き
眼のある電車
加古川
M6編成
ワンマン 西脇市行き
加古川
ワンマン 西脇市行き
厄神
M8編成
ワンマン 西脇市行き
走れ!Y字路
加古川


〜保存車〜
クハ103-1
(京都鉄道博物館)


〜形式別〜
クハ103
115(和歌山)

170(広島)

171(広島)

253(弁天町)
クモハ102
3500番台
3501(姫路)

3500番台
3505(姫路)

3550番台
3558(加古川)
クモハ103
2501(広島)

2502(広島)

3500番台
3501(姫路)

3500番台
3505(姫路)

3550番台
3558(加古川)
モハ102
403(広島)

404(広島)

2043(和歌山)
モハ103
786(和歌山)


〜ドア〜
ドアA
[窓]金具1
[中央]黒Hゴム
ドアB
[窓]黒Hゴム
[中央]黒Hゴム
ドアC
40N(1)
ドアD
40N(2)
ドアE
化粧版あり


〜車内〜
車内A
奈良線にて
車内B
40Nワンマン
車内C
クハ103-1保存車


〜Others〜※JR他社で撮影のものを含む
扇風機 貫通扉
化粧板付き
ドアボタン
3500番台
整理券発行機
3550番台
側窓(初期) 前部標識灯
ブタ鼻
サボ受け 車両番号一例 座席 青色 運転台 貫通扉
緑塗りドア
改造表示
座席 優先席 前部標識灯
40N
後部標識灯台車パンタグラフ転落防止幌


〜ラッピング・ロゴなど〜
3500番台
ロゴ位置1

ロゴ位置2
銀の馬車道
3550番台


〜行先表示〜
宇  治 城  陽 大和路線JR難波
森ノ宮 三原 ワンマン 西脇市 羽衣線 広島〜呉快速 広 広島〜呉快速 三原
ゆめ咲線
USJ・桜島
回送寺前 奈良ワンマン 福崎ワンマン 寺前


〜車両の音〜
・103系(低音モーター)走行音

【大阪環状線】天満〜大阪(2分38秒:860KB)
【大阪環状線】弁天町〜大正(2分35秒:842KB)

最も基本となる103系の走行音。JR西でさえ、今後が安泰とは言い辛い車両になって来ている(40Nで地方にわたった3500番台・3550番台を除く)ものの、やっぱりこの音を聞くと落ち着きますね。
大阪環状線はともかく、既に引退した京葉線の走行音がお勧め。かなり飛ばします。

・103系閉扉音

103系の特徴のひとつ。ドアが閉まる前に1度空気が思いっきり抜ける音がします。大体の車両は開扉より閉扉のほうが動きが遅いものですが、103系はその逆のようです。1000番台・1200番台ではこの空気の音がしないため、閉扉時は随分と静かでした。

5秒(29kB)


〜映像〜
・103系KM4編成京橋発車(youtube)

40N,N40,30Nと紛らわしい更新形態の103系がごちゃ混ぜな大阪環状線。それでも、やっぱり音とかを聞いていると103系は103系なわけで、武蔵野線などでよくオレンジの103系に乗っていた身としては大阪に来る度に懐かしい気持ちになります。

まぁ、JR東日本の103系と比べ物にならない程JR西日本の103系はいい状態なのですが、それでもやっぱり・・ね。

・103系KM11編成大阪発車(youtube)

近畿地方のいわゆるアーバンネットワーク内では、大和路線、大阪環状線、阪和線を中心にそれなりの数の103系が未だに活躍しており、中でも40Nという新車同然の更新を施された車両もいるなどバリエーションも豊か。そして、40Nで揃っている編成、というのが滅多になく基本的にデコボコ編成がデフォルトなのが趣味的に楽しいところ。

ただでさえ個性豊かな103系がこんな状況で活躍している大阪近辺。個人的には好きです。

・103系LA2編成大阪発車(youtube)

数は少なくなったといえども、大阪の中心地に103系がまだやってくるというのは新鮮な感覚です。車内がきれいになった40Nを先頭とする編成。珍しく全部の車両が40Nの編成なのかな、と思ったのですが1両だけ普通の103系が混ざっていたようです。西日本の103系や113系はこの凸凹っぷりを堪能するのも楽しいんですよね...ってのは、余所者だから言えることなのでしょうか。

・103系30Nドア開閉(1)(youtube)

JR西日本の103系には更新を受けた車両がいくつか存在しており、見た目が全く別物になったのがいわゆる「40N」。これとほぼ同じ改造を車内に施したものの外からの見た目の変更および扉の交換を行っていないのが30Nになります。 30Nの車両に関しては今までの103系と扉については何の変化もありません。開く時ののんびりした動き。そして閉じるときの大きな音。関東ではもう見られない103系が西では現役。大阪に行くたびに懐かしい気持ちになります。 一応(1)としていますが、30Nの車両に他の方法で窓を押さえている車両があるのかどうかはよくわかりません。

・103系40Nドア開閉(1)(youtube)

40N更新を施した103系の側扉窓の支持方式は大きく2つ(?)あるようですが、この大きな金具を持つ車両が一番の基本となるようです。いくら車内がきれいになろうとも、この部分の印象は103系そのまま。ちゃんと閉扉時の音も鳴っています。
...が、なんだかその音のタイミングがおかしいような。こんな状態の編成を何度も見かけましたが、西日本の103系はこのパターンが多いのでしょうか。

・103系広D-03編成広島発車(youtube)

広島地区で2015年2月現在も残る103系。3両の編成だけが残り、黄色い塗装を身にまとい、主に呉線の快速列車で活躍しています。103系と105系だけが広島地域で4扉で活躍していますが、恐らく置き換えは113/115系と同様、227系で行われるのでしょう。

幼いころから飽きる程乗った車両ですが、完全引退も近付いてきているのはなんだか寂しいものです。

・103系LA2編成大阪発車(youtube)

今となっては古い車両ではありますが、やはり大阪環状線には103系が似合う気がします。40Nで揃った編成が全然見当たらないのもそれはそれで魅力的。大阪駅そのものが賑やかな駅だからか、発車もそんなにうるさくないような気がします。



〜風景・並びなど〜
姫路広島大阪姫路


〜その他〜
大阪大阪大阪

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