205系
103系と比べて省エネルギー化を目指し登場した201系は確かに大幅な省エネを達成していましたが、非常に製造費が嵩む車両だったことから、経済的な効果は今一つでした。その為、201系の欠点を見直して登場したのがこの205系で、車体がステンレスとなった事から軽量化も達成出来ています。

山手線を中心に首都圏の各線で運用され、山手線にE231系が導入された後も除籍ではなく転属が行われるなど名実共にJRの通勤型車両の代表として活躍していましたが、京葉線へのE233系の導入を切っ掛けにいよいよ老朽廃車が開始され、主役の座を降りました。その後は、地方私鉄や海外へ譲渡される車両も出てきています。

上写真はケヨ22編成、舞浜にて。
簡単な年表
1985年 登場
1996/2/1 京浜東北線205系引退:総武線へ。
2001/11/27 総武線205系引退:京葉・武蔵野線へ。
2005/4/17 山手線205系引退:仙石・鶴見・京葉線等へ。
最終更新:2023/11/14
【600番台】Y6,Y11に1枚追加。
【1000番台】浜4を追加。
【その他】6枚追加。



・0番台 編成写真
(1)武蔵野/京葉線以外はこちら
(2)武蔵野/京葉線(5000番台含)はこちら

最も基本となる205系で、1985年に山手線に導入されたのを皮切りに多くの路線に導入されました(京浜東北線、総武線、南武線、埼京線、横浜線、京葉線、武蔵野線、東海道・山陽線)。山手線に導入された車両のうち初期の車両は側窓がユニット窓になっているのが特徴。また、山手線と東海道・山陽線に導入された車両は201系に引き続き扉の窓が小窓になっていました。
山手線のE231系導入後は様々な路線に転籍し、各地に残っていた103系を置き換えることになりました。その205系も世代交代により廃車と譲渡が行われ、現在はJR東日本から0番台は消滅しています。

5000番台 編成写真
(※5000番台および武蔵野・京葉線0番台の纏めとなります)

武蔵野線の103系を代替する目的で2002年から導入されたグループ。見た目も車内も既存の0番台となんら変化はありませんが、武蔵野線への205系の導入は既に他線区に205系が配属された後だったためモーター車が不足することとなり、従来の車両と比べてMT比が変わってしまう事になりました(従来は6M2T,5000番台は4M4T)。その為、4M4Tになっても従来の性能に追いつけるようにするためVVVFインバータ制御に改造したのが最も大きな違い。勿論、5000番台に改番されたのはモーター車のみであり、他の車両は今まで通り0番台に区分されています。編成組み換えにより京葉・武蔵野線生え抜きの車両のクハを持つことになった5000番台も1本(M35編成)のみ存在していました。
首都圏の主要路線で最後まで残った205系でしたが、世代交代のため中央・総武線から転属してきた209系とE231系に置き換えられ、2020年に引退、全ての編成がインドネシアへと譲渡されています。


500番台

相模線電化に対応して1991年に登場した区分で、半自動ドアスイッチを備えていたのが(当時の205系としては)大きな特徴でした。他の車両との差別化の意味合いも込めてか、前面のスタイルが全く異なるものになった為、見た目からはあまり205系らしさは感じられません。

導入後長らく相模線の主力として運行されてきましたが、2021年よりE131系による代替が行われ、現在は引退してしまいました。

R1編成
除籍
茅ヶ崎行き
橋本
R3編成
除籍
茅ヶ崎行き
橋本
R4編成
除籍
茅ヶ崎行き
橋本
R6編成
除籍
茅ヶ崎行き
橋本
R7編成
除籍
茅ヶ崎行き
橋本
R8編成
除籍
寒川行き
東京総合車セ
R9編成
除籍
茅ヶ崎行き
橋本
R11編成
除籍
茅ヶ崎行き
橋本
R12編成
除籍
茅ヶ崎行き
橋本
茅ヶ崎行き
橋本
茅ヶ崎行き
橋本
R13編成
除籍
茅ヶ崎行き
海老名


600番台

日光線の107系および宇都宮線宇都宮〜黒磯間の211系の代替を目的として、E233系によって置き換えられた京葉線と埼京線の205系を改造して登場した区分で、ありそうでなかった湘南色の205系が登場することとなりました。211系はさほど古い車両ではありませんが、205系に置き換える事によって4扉への統一が図られることになりました。
半自動ドアスイッチやドアチャイムが設置され、大型のトイレも設置されるなど、バリアフリー化も施行されましたが、走行装置の変更は特に施されていません。日光線用のY3編成は、後に観光列車「いろは」に再改造されています。
此方も上記の500番台に次ぎE131系への置き換えが進められ、「いろは」も含めて2022年のダイヤ改正で引退しています。後継のE131系に編成両数等の課題があるように見えますが、どうなってゆくやら…。

Y1編成
除籍
黒磯行き
宇都宮
Y2編成
除籍
日光行き
宇都宮
Y4編成
除籍
黒磯行き
宇都宮
黒磯行き
宇都宮
黒磯行き
宇都宮
Y6編成
除籍
日光行き
宇都宮
日光行き
宇都宮
日光行き
宇都宮
回送
宇都宮
Y7編成
除籍
黒磯行き
宇都宮
Y8編成
除籍
黒磯行き
宇都宮
黒磯行き
宇都宮
黒磯行き
宇都宮
Y9編成
除籍
黒磯行き
宇都宮
黒磯行き
宇都宮
黒磯行き
宇都宮
Y10編成
除籍
回送
宇都宮
日光行き
宇都宮
日光行き
宇都宮
Y11編成
除籍
日光線
宇都宮
日光行き
宇都宮
宇都宮
Y12編成
除籍
回送
宇都宮
宇都宮線
宇都宮
黒磯行き
宇都宮


1000番台

1000番台はJR東と西それぞれに在籍していますが、両車は全くの別物となります。JR東日本の1000番台は中央・総武緩行線と山手線から転出した205系を改造し、2両編成を作り上げたもの。南武線の尻手〜浜川崎間、いわゆる南武支線用に導入されました。ワンマン運転に対応しており、車内自動放送や車両搭載発車ブザーなども搭載されています。2M0T故に加速度が高く、乗り慣れた205系とは少し違った印象を受けます。
2023年には行き場を失った中古車のE127系により2運用分が置き換えられていますが、最終的な置き換えをどうするのかは今一つよくわかっていません。

ナハ浜1編成
浜川崎行き
尻手
尻手行き
八丁畷
浜川崎行き
尻手
浜川崎行き
尻手
海芝浦行き
鶴見線事業所
海芝浦行き
鶴見線事業所
ナハ浜2編成
浜川崎行き
尻手
浜川崎行き
浜川崎
尻手行き
浜川崎
ナハ浜4編成
尻手行き
尻手
浜川崎行き
尻手
浜川崎行き
尻手


1100番台

鶴見線に残っていた103系の代替の為に、山手線その他の205系を転属させて登場した区分で、1000番台とは異なりワンマン運転には対応しておらず、半自動ドアスイッチも設置されていません。2023年12月からコストダウン仕様のE131系に置き換えられることになり、年度内に引退することが決まっているようです。

ナハT11編成
浜川崎行き
安善
鶴見行き
安善
ナハT12編成
扇町行き
安善
鶴見行き
扇町
ナハT13編成
鶴見行き
鶴見小野
浜川崎行き
鶴見小野
浜川崎行き
鶴見小野
ナハT14編成
海芝浦行き
浅野
鶴見行き
海芝浦
海芝浦行き
鶴見
団体
鶴見線営業所
ナハT15編成
鶴見行き
安善
浜川崎行き
鶴見
武蔵白石行き
鶴見
鶴見行き
鶴見小野
ナハT16編成
扇町行き
鶴見
扇町行き
国道
鶴見行き
浅野
鶴見行き
浅野
鶴見線
鶴見
鶴見線
鶴見
鶴見線
鶴見
回送
鶴見
団体
鶴見
ナハT17編成
海芝浦行き
鶴見
ナハT18編成
浜川崎行き
鶴見線営業所
浜川崎行き
鶴見線営業所
ナハT19編成
扇町行き
浅野
浜川崎行き
安善
浜川崎行き
浜川崎
尻手行き
鶴見線営業所
尻手行き
鶴見線営業所


1200番台

南武線の103系の代替に導入された205系は、普通の0番台が大多数を占めていましたが、一部は中間車からの改造で先頭車を組成する事になりました。それが1200番台で、先頭車のみが1200番台に区分され、中間車は今まで通り0番台となります。見た目が変わった事を除けば、乗っている分には何ら0番台と変わりません。2009年には、仙石線に予備車として存在していた103系の代替に1本が仙石線へ転属し、3100番台へ改造されています。南武線で最後まで残った205系でしたが、E233系への代替によって2015年に引退しています。

ナハ46編成
除籍
快速 川崎行き
武蔵新城
川崎行き
尻手
快速 立川行き
尻手
ナハ50編成
除籍
立川行き
府中本町
ナハ51編成
除籍
立川行き
川崎


3000番台

川越・八高線の103系の代替を目的に2003年から導入されたグループで、この3000番台と元りんかい線70-000系の209系3100番台によって103系の代替を完了しました。半自動ドアスイッチとドアチャイムを装備しているほかは1000番台と大差ありません。
世代交代の為に中央・総武緩行線から捻出された209系・E231系による置換えが行われ、2018年に引退しています。そのうちの一部は富士急行へと譲渡されました。

ハエ81編成
除籍
→富士急行
八王子行き
川越
八王子行き
川越
ハエ83編成
除籍
八王子行き
高麗川
八王子行き
川越


3100番台

仙石線の103系の代替を目的に2002年から導入されたグループで、日本最北端の205系となります。103系が運用されていたとはいえ、仙石線は通勤路線としてだけではなく観光路線としての役割も担っており、また運用範囲も広いことからトイレが設置されました。また、半自動ドアボタンやドアチャイムも他の改造番台同様、設置されています。
一部の車両はクロスシートとロングシートのどちらの状態にもできる「2WAYシート」を搭載しており、ラッシュ時以外はクロスシートの状態で運用中。その編成も変わらず3100番台な辺り、番台の分け方がどうなっているのかよくわからないものです。
後継としてE131系の導入が発表されたため、見るなら今のうちと言えそうです。

M1編成
うみかぜ
あおば通
東塩釜行き
あおば通
M2編成
石巻行き
あおば通
仙石線経由
あおば通
M5編成
東塩釜行き
あおば通
東塩釜行き
あおば通
あおば通行
あおば通
M8編成
あおば通行き
仙台
M10編成
あおば通行
あおば通
M11編成
快速 高城町行
あおば通
M12編成
高城町行き
あおば通
M15編成
郡山
M16編成
東塩釜行き
あおば通
仙石線経由
あおば通
M17編成
東塩釜行き
あおば通
M18編成
快速 あおば通
松島海岸
M19編成
高城町行き
あおば通


〜保存車〜
ケヨ24編成
(大宮工場)
モックアップ
(鉄道博物館)


形式・細部・行先表示

型式写真、車両細部、行先表示も数が多い為別ページに分割しています。


〜車両の音〜
・0番台走行音

【総武線】船橋〜西船橋(2分36秒:848KB)
【山手線】渋谷〜恵比寿(2分5秒:680KB)
【山手線】上野〜鶯谷(2分10秒:709KB)
【京葉線】検見川浜〜海浜幕張(2分13秒:727KB)
【りんかい線】新木場〜東雲(2分26秒:793KB)

基本となる205系の走行音。音自体は何の特徴もなく面白くはありません。総武線と山手線で走行音を収録しておくことが出来たのはラッキーでした。但し、総武線のものについては音声の収録を始めた頃の収録なので、ドア開閉音が収録されていないのですが、そこはご了承いただければ…。

・0番台武蔵野線走行音

【京葉線】新習志野〜南船橋(2分50秒:924KB)
【京葉線】八丁堀〜新木場(5分50秒:1.8MB)

武蔵野線の0番台はドアエンジンが別のものになっているので、扉の開閉の音が全く異なります。それ以外は変化なし。尚、一時期在籍していた武蔵野線生え抜きではない編成の0番台は勿論、扉の動きはごく普通のものでした。

・1100番台走行音

【鶴見線】国道〜鶴見小野(1分34秒:515KB)
【鶴見線】鶴見小野〜弁天橋(1分40秒:547KB)

鶴見線にだけ存在している1100番台。走行音は普通の205系と何も変わりません。全く速度を出していませんが、正直鶴見線はどこの区間で録音してもこんな感じなので、高速走行は諦めるのが無難です。

205系警笛

ごく普通の音。

3秒(19KB)


〜映像〜
・205系ケヨM35編成
西船橋発車(youtube)


もともと武蔵野線、京葉線に導入された205系は前面スタイルが変更されていますが、このうち武蔵野線の編成に関しては編成組み換えにより、この前面なのにVVVF化され-ている編成が1本だけ存在しています。

・205系ケヨM62編成
新松戸発車(youtube)


武蔵野線の205系というと、殆どの編成はVVVF(東洋IGBT)化された5000番台で、これらは103系の置き換えのために転属してきた車両の改造となるのですが、-一部の編成は"増備"としてもともと武蔵野線に導入されていた車両となるため、VVVF化されていません。顔つきが異なり、前面のスカートがなく、扉の動きも違うので判別-は簡単です。

JR東日本の昨今の車両の置き換えの動向をみると、これらの車両も安泰とは言えないような気がします。記録は沿線が混まないうちに、早めにしておきたいものですね。

・205系5000番台編成不明
市川塩浜発車(youtube)


京葉線との乗り継ぎを考慮するため、武蔵野線の快速は市川塩浜駅に停車します(京葉線の快速は通過)。武蔵野線から乗り入れてくるのは数本除きすべてこの205系5000-番台。VVVFに改造されていることから、当面は置き換えの予定もないみたいです。

・205系ケヨ9編成
舞浜発車(youtube)


京葉線に導入された205系は顔つきが変わり、メルヘン顔なんて言われています。E233系の導入によって205系は今後徐々に置き換えが進むと思われ、その後の処遇もわ-からない(譲渡か廃車か)状況です。一体どうなる事やら。

・205系1000番台ナハ ワ1編成
尻手発車(youtube)


1000番台はJR西日本にも在籍していますが、JR東日本の1000番台とは全くの別物。東の1000番台は南武支線のワンマン運転に対応した車両。発車放送なんかも搭-載されていたりします。南武支線でしか見られない車両なので、近くに来たらちょっと見てみるのもいいかもしれませんよ。

・205系ハエ25編成
十条発車(youtube)


ついに置き換えが発表された埼京線の205系。混雑の激しい埼京線でよくまぁここまで残ったものです。埼京線には6扉車が連結されている編成も多数在籍しており、この編成もそのうちの1つとなります。

・205系ドア開閉(youtube)

京葉線にて。別に古くもなんともない車両だと思っていましたがE233系等の導入によって徐々に肩身の狭い立場になってきている205系。気楽に見るなら今のうちなのかも-しれません。首都圏で最後まで残るのは鶴見線とかになるのかなぁ。

登場した年度を考えると、随分閉まり方が急な気もしますね。

・205系初期車
ドア開閉(youtube)


205系のうち、山手線と東海道・山陽線に導入された車両は側扉の窓が201系と同じ大きさとなっていました。動きも201系と大差ありませんが若干閉まる時の動きが急な-気もします。まぁそのあたりは個体差があるのでなんとも言えませんが・・・。

この動画は武蔵野線に転属し5000番台となった車両での収録です。

・205系0番台武蔵野線
ドア開閉(youtube)


205系が割と後期に導入された武蔵野線では、205系の扉の動き方が異なっています。よく見る動きになり、ずいぶん静かになりましたが、開扉時の開ききった瞬間に限り、-随分と大きな音を発するようです。

元山手線と横浜線の6扉車、相模線用の500番台が同じ動きのようです。

・205系ケヨM8編成
南船橋発着(youtube)


山手線からの205系大転属劇が行われていた当時、武蔵野線にも大量の205系が導入されました。当時、同線の車両が6M2Tを組んでいた為、モーターの換装によって4M4Tでも同様の性能を確保できるようにVVVFインバータに改造されており、他の205系とは一線を画す存在となりました。モーターは凡な東洋IGBTです。
これらの205系も現在は総武線からのE231系によって置き換えが進んでおり、徐々にインドネシアへと輸出されています。

・205系ケヨM17編成
南流山発着(youtube)


気が付いたら風前の灯火となっていた武蔵野線の205系。この車両が記録の対象になっている事になんだか時代を感じます。モーターは武蔵野線への転属時に東洋IGBTに更新されており、205系らしからぬ「よくある東洋の音」が聞けます。

・205系ケヨM4編成
西船橋発車(youtube)


すっかり風前の灯火の205系。205系から東洋IGBTの音がするのは当初は違和感しか感じませんでした。

・205系ケヨM17編成
西船橋発車(youtube)


発車前のブレーキ解除音が入っていない、没にしても良いような動画ではありますが、折角置き換えが進んでいる205系の動画なので一応公開する事とします。どこでも聞ける凡な東洋IGBTとはいえ、205系からこの音がするのは新鮮ではありました。

・205系ケヨM63編成
西船橋発車(youtube)


武蔵野線の数少ない新車として導入された「顔が違う205系」。なんだかんだで見られなくなってからもう1年以上経つんですね。

・205系ナハT13編成
鶴見小野発着(youtube)


鶴見線の205系。私鉄各社だったらまだまだ使うのでしょうが、JR東日本においては205系はもう置き換えの筆頭。すでに本線系統の運用はほぼ無く、鶴見線のようなまったりした路線で余生を送っている車両がメインとなります。遠からず置き換えだと思うので、チョッパの音を聞きたい方はお早めに。速度を出す区間、あまりないけれど…。



〜風景・並び〜
新浦安新浦安西船橋 五反田津田沼舞浜
海浜幕張十条大崎 東神奈川東神奈川東神奈川
宇都宮郡山西船橋 西船橋鶴見鶴見
鶴見鶴見線営業所鶴見線営業所 鶴見線営業所鶴見線営業所


〜その他〜
鉄道博物館大宮不明鉄道博物館マザー牧場東武動物公園
東武動物公園東京東京東京東京西船橋
新木場茅ヶ崎目黒宇都宮宇都宮宇都宮
東京

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