(撮影地:鉄道博物館)
御料車

国鉄時代の皇室用車両、所謂「御料車」となる車両について公開しています。後の157系やE655系等と異なり、国鉄時代さらには鉄道省の頃などは用途の都度御料車が製造される傾向にありました。

最終更新:2024/1/28
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・1号御料車

京阪間鉄道の開業式に備えて、1876年に神戸工場で製造された車両。長7.34m、幅2.16mとなっています。2軸の車両である上に、技術が発達していない時期の製造であった事もあり、防震の為の構造に非常に苦労したとの事。1898年に3号御料車が登場するまで使用されていたようです。1913年に廃車となり、1936年に鉄道博物館(※のちの交通博物館)に展示。1958年には鉄道記念物に指定され、2003年には国の重要文化財となりました。現在は交通博物館が閉館しているので、大宮の鉄道博物館へ移っています。

1号御料車
(鉄道博物館)
1号御料車
(交通博物館)
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その他
台車装飾


・2号御料車

九州鉄道が1901年にドイツに発注し、小倉製作所で組み立てた車両。1902年に明治天皇の御乗用として用いられました。1号御料車と同じく2軸の車体を持つものの、長8.19m、幅2.54mとやや大型になりました。1913年に廃車となって以降の保存先は1号御料車と同様です。1963年に鉄道記念物に指定されています。

2号御料車
(鉄道博物館)
2号御料車
(交通博物館)
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その他
台車紋章装飾


・5号御料車

1902年3月、昭憲皇太后の御乗用として新橋工場で製造された車両。二重屋根の木造車で、長16.129m、幅2.654mとなっています。3・4号御料車(4号車は解体、3号車の現存は不明)とサイズ的には同様のようです。1916年に8号御料車が完成すると出番が無くなり、そのまま1959年に鉄道記念物に指定されました。いつ正式に除籍されたのかは不明ですが、現在では愛知県の博物館明治村内に保存されています。

5号御料車
(博物館明治村)
その他
台車


・6号御料車

明治天皇の御乗用として1910年に新橋工場で製造された車両。モニター屋根の木造車で、台車は3軸となっています。長20.728m、幅2,642mと非常に大型の車両であり、内外装ともども御料車の中でも壮麗な物として評価が高い車両でもあるようです。1959年の廃車後に鉄道記念物に指定され、現在では5号御料車同様、愛知県の博物館明治村に保存されています。

6号御料車
(博物館明治村)
その他
台車


・7号御料車

1914年、大正天皇及び貞明皇后の御乗用として新橋工場で製造された3軸のボギー車で、翌年の大正天皇の御大礼に9号御料車・賢所乗御車と共に使用されました。モニター屋根の木造車で、長さ20.677m、幅2.591mの大型の車両。1935年に廃車された後、1952年に交通博物館に移され、同館の閉館後は大宮の鉄道博物館に展示されています。展示されている位置が位置なので撮影がしづらいのが歯がゆい車両でもあります…。

7号御料車
(鉄道博物館)
その他
ドア室内の様子


・8号御料車

1916年に貞明皇后の御乗用として大井工場で製造された車両。3軸のボギー車で長・幅は7号御料車と同様。1935年に廃車されて以降大井工場で保管されていたものの、太平洋戦争の期間を経て荒廃してしまったことから、1956年に一部を残して解体され、残りの一部は整備の上交通博物館で展示、同館の閉館後は大宮の鉄道博物館に移っています。

8号御料車
(鉄道博物館)
その他
室内の様子


・9号御料車

1914年に7・8号御料車と共に使用する食堂車として新橋工場で製造された3軸ボギー車。全長は19,991m、幅は2,591m。食堂車であることから菊の御紋章は取り付けられていません。1936年に廃車。その後、交通博物館に展示された時期もあったものの基本的には東京総合車両センターに保管され続けてきましたが、鉄道博物館の開館後に其方に移動しています。1969年に鉄道記念物に指定。

9号御料車
(鉄道博物館)


・10号御料車

1922年、イギリス皇太子の来日に際して、大井工場で製造された国賓用御料車で、御料車で唯一の展望車となります。木星のモニター屋根を持つ3軸ボギー車で、長20.0m、幅2.880m。車体中央部に菊の御紋章が取り付けられています。太平洋戦争後に一時的に連合国軍に接収されていましたが、1951年に復帰。…とはいえ、その後御料車として用いられることは無く1959年に廃車。1969年に鉄道記念物に指定され、その後もずっと東京総合車両センターに保管されていましたが、鉄道博物館の開館後に其方に移動しています。

10号御料車
(鉄道博物館)
その他
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・12号御料車

1924年に摂政宮(のちの昭和天皇)の御乗用として大井工場で製造されたモニター屋根の3軸ボギー車で、長20.06m、幅2.8m。1932年に鋼製の御料車が完成したのちも予備車として用いられていましたが、1959年に廃車。長らく東京総合車両センターに保管されたのち、鉄道博物館へと移動しています。

12号御料車
(鉄道博物館)

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